センサ材料センター
The development of high-controllable chemistry to realize novel sensor devices.
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研究内容
化学センサは、主として化学種を認識するレセプタ機能と認識した化学種の情報を何らかの形で信号に変換するトランスデュサー機能の二つの機能により成り立っています。センサにインテリジェント性を付与するにあたって、私たちはこれらの機能を基礎的に解明することが不可欠であると考えています。そこで、有効にこれらの機能を探索する手法を開発するとともに、高応答性が期待される薄膜の合成を行っています。また、インテリジェント性実現に当たっては、数種の異なったセンサのマルチ化が不可欠ですが、高感度が期待できるナノ粒子を水溶液から合成し、それをパターニングする技術を開発することで、センサのマルチ化技術の開発を目指しています。さらに、カーボンナノチューブ(CNT)を利用したセンサ材料の開発も行っています。

コンビナトリアルイオン注入法・SPRを利用した化学センサ材料の探索
センサのレセプタ機能とトランスデュサー機能を高めるには、単純な物質ではなく、ホストとなる材料とは異なった元素を添加することが有効です。センサ探索の大部分は、有効な添加元素の選定とその最適添加量の探索にあるといっても過言ではありません。私たちは、当機構で開発されたコンビナトリアルイオン注入法により、迅速なセンサ探索を目指しています。この装置を利用することで、ppb〜%オーダーまで添加量を変化させた材料作成が可能です。
コンビナトリアルイオン注入法の概略図
コンビナトリアルイオン注入法の概略図
 
センサ機能のコンビ探索ですが、SPR法の適用を目指した研究を行っています。この手法では主にレセプター機能探索が対象となりますが、SPR現象を基礎的に理解することで、トランスデューサー機能探索への適用も可能だ、と考えています。
 
SPRの概念図

SPRの概念図

 
Surface Plasmon:
金属表面ではその特殊性から光とカップリングを起こす電子波のモードが生じます。
Evanescent Wave:
電磁波(光)の反射現象において、特定の条件化で反射する媒質内部に電磁波の浸透が発生します。その浸透した電磁波はエバネッセント場と呼と呼ばれいています。エバネッセント場から放出(反射)する電磁波をエバネッセント波と呼んでいます。
SPR
上記の両者の波数が一致したときに共鳴して反射光が減衰する現象が生じます。この共鳴現象は表面吸着物質の差異を反映した変化をします。このことで、吸着物質を微小領域でセンシングすることが可能となります。
 
ZnO/Au薄膜による糖分の検出を示すグラフ。
ZnO/Au薄膜による糖分の検出。この系でもセンサとして機能することを確認されました。

イオン・分子ビーム利用した薄膜合成
主に荷電粒子応用特殊実験装置(下図参照)を用い、イオンビームや分子線等を利用したセラミック単結晶薄膜の合成を目指しています。
イオン・分子線応用を目指したALISA装置
イオン・分子線応用を目指したALISA装置
 

単結晶薄膜は材料の特性を最大限に発揮するばかりでなく、材料と環境の相互作用の理解・機構解明のモデル構築に有効です。また合成法自体の持つ熱力学的非平衡特性を利用した新奇材料の開発についても検討しています。図はホウ化物基板上にMBE法により室温成長した酸化亜鉛エピタキシャル膜からの電子線回折図、イオンビームを用いて作製したガラス上の単結晶白金薄膜の形態図、イオンビーム誘起成長による室温での炭素‐ケイ素系の結晶成長図を示しています。

 
ZrB2上に成膜したZnOのRHEEDパターン

ZrB2上に成膜したZnOのRHEEDパターン

 
SiO2 ガラス上の白金薄膜のAFM像

SiO2 ガラス上の白金薄膜のAFM像

 
室温におけるイオンビーム照射下でのSi-C系の相関係
室温におけるイオンビーム照射下でのSi-C系の相関係
 

水溶液プロセスによるセラミックス合成

半導体セラミックスは、粒界と雰囲気との相互作用で導電率が変化するセンサー機能を持ち、有害ガスである還元性ガスの検知に多く使用されていますが、さらなる高感度化、小型化の課題があります。そのための新しい水溶液化学反応プロセスを検討しています。水溶液反応は、複雑な反面、様々な形態のものを作り出すことが可能で、ナノファブリケーションの次世代手段として期待されています。酸化亜鉛等の半導体酸化物を対象とし、薄膜状析出過程、および微粒子析出過程の基礎研究を進め、配向、形態、結晶性の制御を目指しています。

 
水溶液プロセスで作製した酸化亜鉛のマイクロパターン
水溶液プロセスで作製した酸化亜鉛のマイクロパターン
 
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