秋篠宮同妃両殿下が超鉄鋼研究センターをご視察



超鉄鋼展示スペース
磁場中加工熱処理装置

  秋篠宮同妃両殿下は、平成15年10月14日(火)につくば国際会議場で開かれた「第6回アジアデザイン国際会議」の開会式にご臨席されたあと、当機構をご視察されました。
  両殿下は午前11時過ぎに職員の出迎えを受けて当機構にお着きになりました。まず玄関ロビーに設置されている展示室において、岸理事長が約10分間にわたって機構研究概要について説明しました。その後、両殿下は組織制御棟に移動され、長井超鉄鋼研究センター長の先導で超鉄鋼展示スペースや実験装置をご視察されました。
  展示スペースでは、まず、両殿下が興味を持たれているリサイクルとエネルギー課題に関係する「リサイクル鉄の超鉄鋼化」と「火力発電用耐熱鋼」の研究に関する展示物をご覧頂きました。ストリップキャスターで製造した0.1%リンを含む3mm板厚のコイルとコイルから試作したガードレールをご覧になりながら「リンが入ると何が悪いのですか」(殿下)、「強さはどうなるのですか」(妃殿下)など興味を持って質問されました(写真上)。また、耐熱鋼研究では、保護皮膜で水蒸気酸化が抑えられることに特に関心を示されました。
  実験室への移動の途中では、独法成果活用研究の成果と鉄の歴史コーナーをご覧頂きましたが、「ヨーロッパの鉄作りと日本古来の鉄作りは何が異なるのですか」(妃殿下)と立ち止まってご質問になりました。
  実験設備としては、2軸加工装置と磁場中加工熱処理装置をご覧頂きました。「2軸加工装置は鍛冶屋さんのアイデアを現代圧延技術に生かしてみようと考えた圧延機で、上下のロールを10度交差させて圧延することによって、今までにない性質の金属が出来ます」という説明に対して、「温度は何度ぐらいで圧延するのですか。どんなメリットがあるのですか。」などのご質問を頂きました。磁場中加工熱処理装置では、宗木主席研究員の操作ディスプレーについての説明を聞かれながら、金属組織への磁場の効果やクリープ寿命の目標値などについて質問されました(写真下)。
  このように25分間にわたって組織制御棟をご視察になり機構を後にされましたが、私どもの研究活動を熱心にご覧頂き大変光栄でした。今回の機会が得られましたのも皆様の日頃からのご支援の賜と思っております。どうか今後ともご指導ご鞭撻をお願い致します。

 (副センター長 津ア 兼彰)


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