第7回超鉄鋼ワークショップ開催報告


  標記ワークショップが、6月24日(火)、25日(水)、つくば国際会議場で開催されました。今年は、「使える材料、活かす新構造」を主題として、12のセッションで講演会と討論が行われました。当日はあいにくの雨模様でしたが、9カ国から400名を越える多数の皆様にご参加いただきました。
  基調講演では、「鉄鋼技術研究の世界動向」をテーマとして、ドイツ、アメリカ、日本から、各国における主要プロジェクトや重要技術研究課題の現状と展望について講演をいただきました。最後に、SARS問題のため参加を辞退されました中国CISRIのDr. Dongから、代読による講演と来年上海で開催される第2回ICASSの紹介が行われました。
  今年から概要集が英文表記となったポスターセッションでは、国内外から116件(内NIMS発表64件)の発表がありました。より国際的となり、熱心な討論が行われていました。
  本ワークショップの大きな特徴は、専門分野の異なる皆さんが一堂に会して、様々な視点から共通の課題について議論する点にあります。普段学協会では決して顔を合わさない方達と学際的な議論を行ったり、領域の異なる研究者・技術者が、いかに役に立つ材料を創り、使いこなすかについて議論することができます。もちろん、ある学問領域における深い議論を行う場も設けています。
  今年もこのような観点から、5つの技術討論会(日本語セッション)と5つの研究要素討論会(英語セッション)を企画しました。新たな試みとして、2つのセッションを学協会と共催で開きました。いずれも本ワークショップの主題に非常にマッチしたセッションを企画していただきました。共催いただきました日本鋼構造協会並びに溶接学会溶接冶金研究委員会に深く感謝すると共に、今後もこのような試みを是非続けていきたいと考えております。
  従来、技術討論会はメーカーとユーザーの対話の場として日本語でセッションを行ってきました。今年はこれに近い内容の英語セッションも試みてみました。世界最先端の実用化技術が紹介され非常に有意義でしたが、英語で議論を盛り上げるためには、さらに一工夫必要なようです。また、標準化やデータベース、技術移転などの話題も新しいテーマとして取り上げました。
   いずれのセッションでも、講演者の皆様から非常に興味深い講演が行われました。ただ、総合的な討論の時間が必ずしも十分ではありませんでした。来年はこの点を反省し、ゆとりを持ったセッションを企画したいと考えております。 超鉄鋼ワークショップは、ここでしか聞けない、ここでしか議論できないようなユニークな会合を目指しております。皆様の忌憚のないご意見とご協力を、今後ともよろしくお願いいたします。

(ワークショップ実行委員会委員長 塚本 進)


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基調講演 基調講演その2 基調講演その3 溶接セッション ナノセッション ポスターセッションその1 ポスターセッションその2

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