中日自動車材料ワークショップ参加報告


本年5月に中国鋼鉄研究総院 (CISRI) と締結したMemorandum of Understanding (MOU) 締結に基づく最初の協力活動として、去る9月20日、中国上海市においてCISRI、NIMS共催、中国自動車材料学会、中国特殊鋼学会協賛で、「中日自動車材料ワークショップ: The Sino-Japan Workshop on Advanced Steels for Automobiles」が開催されました。また、翌日には宝山製鉄所を見学させて頂く機会も得ました。

会議には日中の自動車材料に関係の深い方々が約60名参加され、自動車用材料の製法や特性、適用方法等について活発な意見交換がなされました。 中国の産業発展の著しさは知識としては持っていましたが、今回の出張でその状況を実際に垣間見、今後の中国の更なる発展に対する確信が強まりました。

上海市ではその発展を象徴するかのように、世界第3位、アジアでは第1位の高さになるタワーや、世界第3位の高さの超高層ビルが建設され、観光地ともなっています。また、インフラでは市内を縦横に走る見事な高速道路が印象に残っています。上海市は既に世界の大都 市の中で東京、ニューヨークを凌駕する都市になってしまったと感じさせられました。

宝山製鉄所見学ではIF鋼製造ラインを見ることができました。ラインは設置されたばかりといった新しさであり、工場内のスペースの広さも印象的でした。しかし、中国の製鉄技術者との話によると、技術的問題点がまだまだあり日本の技術には及ばないとのことでした。特に問題なのは技術者の養成であるとのことでした。しかしながら、その急激な生産能力の増強を目の当たりにし、日本に肉薄してきているのが肌で感じられました。

(冶金グループ 花村 年裕、溶接グループ 本田 博史)


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