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第16回国際腐食会議参加報告第16回国際腐食会議(16th International Corrosion Congress, ICC)が平成17年9月19日から24日にかけて、中国の北京において開催されました。http://www.16icc2005.com/EN/Introduction.htm 本会議は3年毎に開催されており、前回の第15回会議は平成14年にスペインのグラナダで開かれました。次回はアメリカ合衆国のラスベガスとなることが決定しています。 本会議には、700人超の参加があり、基礎的腐食研究から各種環境、先進材料に至る各種材料の27トピックスに分類された幅広い内容の発表がありました。基調講演ではChunan Cao教授(Zhe Jiang University, China)およびLeygraf教授(Royal Institute of Technology, Sweden)からは大気腐食に関して、Frankel教授(OSU, USA)からは核廃棄物貯蔵のための長期の信頼性予想、Thompson教授 (UMIST, UK)教授からは、Al合金の表面処理、そして水流教授(東工大)からは新亜鉛めっき鋼板の腐食抑制に関する発表がありました。 NIMSからこの会議への参加は、(敬称略)篠原、田原、片山、西村、秋山の職員5名の他、耐食グループのポスドク2名(Sundararajan, Ravichandran)の計7名でした。また、2年間のポスドク期間の後、この春北京の鋼鉄研究総院(CISRI)に戻った王毛球さんがNIMSで行った仕事の発表を加えて、NIMS関係では大気腐食、水素脆化、不働態などに関する計8件の発表がありました。また、以前にNIMSの耐食グループで研究を行った董俊華さん(中国科学院金属研究所)、金相グループ李金許さん(北京科技大)の参加もあり、NIMS関係者で総計10人が集うこととなりました。 また、会期中には、CISRIおよび北京科技大の訪問・見学・討論を行い、中国の腐食研究者との交流を深める機会を持つことが出来ました。 昨年上海で開かれた第2回ICASSの前に北京に立ち寄った際には、5番目の環状の高速道路が出来あがりかけているところでした。1年とちょっと経った今回の訪問時には、更に外側を走る6番目の環状高速道路が既に開いており、また、もうすぐ新しい地下鉄も開業するところとのこと。2008年に開催されるオリンピックの影響もあり、目覚しく発展する北京の街の姿を垣間見ることが出来、非常に印象を受けました。インフラストラクチャーや建造物の急激な発展に伴い、環境や都市問題に関する取り組みの重要性が増してくることは間違いありません。構造物やプラントの安全性、信頼性の確保のためには、種々の腐食問題の解決を避けて通ることは出来ません。重工業の増長に伴う大気汚染、酸性雨問題も深刻で、急激に発達する今、腐食研究の重要度はいや増しています。そのような中、今回の会議のように中国国内から多数の参加があり、積極的な取り組みがなされているのを見ると、頑張ってほしいと、そして我々も頑張らねばと感じた次第です。
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CISRI前にて
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建築中の建物(天安門近く)
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(耐食グループ 秋山英二) [戻る]
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