ICASS2004開催報告


  The Second International Conference on Advanced Structural Steels (ICASS 2004)は4月14日〜16日、中国、上海のBAO STEEL鉄鋼研究所にて開催されました。

  BAO STEEL社の女性社長Qihua XIE氏のオープニングスピーチから始まり、基調講演として中国からはCSMのYuqing WENG氏、韓国からはPOSCOのWung-Yong CHOO氏、イタリアからはCSM S.p.A.のMauro PONTREMOLI氏、そして日本からは長井 寿、超鉄鋼研究センター長がそれぞれ各国の最先端の研究内容を報告しました。3日間を通じての発表件数は227件もあり、そのうち約2割が日本からの発表でした。

  ICASS2004鉄鋼研究所の外周には巨大な垂れ幕のほか、中国国旗とBAO STEEL社旗に並びICASS2004の旗も掲げられていました。

  歓迎ムード一色の中を降りたった我々にTVビデオカメラや新聞記者が待ちかまえており、早速、ニュースや明朝の新聞に放映・報道されました。

  鉄鋼研究センター到着後、展示会場に案内された我々はBAO STEEL社の歴史や鉄鋼技術などを紹介され、ここで製造されているフォルクスワーゲンの車体をも目の当たりにしました。

  右上の写真はICASS2004基調講演会場で撮影したプレゼンテーションのステージです。金色の額で囲まれた部分に発表内容が映し出されたのですが、その演出や規模の大きさに基調講演は無論、ICASS2004に対するBAO STEEL社の意気込みや期待感を感じました。

  大久保らが発表した耐熱鋼のセッションは28件の発表がありました。日本からの発表が半分以上を占めた会場には立ち見が出るほどの盛況ぶりで、耐熱鋼分野の研究が活発化する気運が伺えました。大久保は「高Crフェライト系耐熱鋼に及ぼす磁場中熱処理の影響」と題して報告しました。報告後は拍手喝采で大変に嬉しかったのですが、次の瞬間矢のような質問攻めに合い(析出物やクリープ特性に関する質問)、鉄鋼協会の春の講演大会よりも活発な討議が行えて大変に有意義でした。

   ICASS2004開催中の3日間の行動を共にした超鉄鋼研究センターから参加の約20名の我々は、同じところに所属しながらも日々の研究活動に追われ非公式で研究活動の交流を行う機会になかなか恵まれません。しかしながら異国で3日間も行動することにより屈託のない親睦が図られ、それは帰国してから今現在も継続しております。  次回、ICASS2006は2年後に韓国・慶州(きょんじゅ)市で開催されます。今回以上に盛大で活発な開催に成ること願い、開催報告を終了致します。

(耐熱グループ 大久保 弘)

基調講演会場にて

鉄鋼研究センターにて

 

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