イベント

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第121回構材ゼミ/先端計測セミナー
結晶格子欠陥における力学的応答の原子レベル解析

2021年2月26日 10:30~11:30

会場/Venue:

千現地区 先進構造材料研究棟5階 カンファレンスルーム(513室)
オンライン:webexによるミーティング

参加申込

オンラインでの聴講希望の場合は、前日までに構造材料研究拠点運営室にメールでお申し込みください。
@@@OHMURA.Takahito=nims.go.jp ([ = ] を [ @ ] にしてください)@@@
※講演の録画・録音は禁止です。
For online participation, please apply by email to the Administration Office by the day before.
※Audio and video recordings are prohibited.

講演者/Speaker:

栃木栄太 教授 (東京大学 総合研究機構)

表題/Title:

結晶格子欠陥における力学的応答の原子レベル解析

講演要旨:

 結晶性材料の変形・破壊現象は原子の変位ならびに結合の破断に対応するものであるから、変形・破壊現象を深く理解するためには力学的負荷に対する局所的
な原子構造変化を探求することが本質的に重要と言える。本研究では、その場透過型電子顕微鏡(TEM)機械試験法を中心とした手法により結晶性材料の荷重負荷
に伴う原子構造変化を解析する。本講演では,前半にサファイヤ(α-Al2O3)における変形双晶の成長挙動を議論する。その場TEMナノインデンテーション実験によりサファイヤ単結晶中に菱面双晶を導入し、その動的挙動を観察した。荷重負荷に伴い双晶が成長、除荷に伴い収縮する現象が確認された。また、双晶の収縮過程において母相/双晶界面上を移動する特徴的な像コントラストが観察された。この像コントラストの起源を明らかとするため、原子分解能走査型TEM(STEM)により母相/双晶界面の原子構造を解析したところ、界面上に多数のステップ構造が確認された。このことより、ステップ構造が界面上を移動することにより双晶の成長・収縮が生じることが示唆された。実験結果に基づいて第一原理分子動力学計算によりステップ構造の移動を解析したところ、ステップ移動の素過程はAl原子2個、O原子3個からなる原子グループの協調的なシャッフルであることが明らかとなった。講演の後半では、原子分解能TEMその場機械試験の実現を目指し開発した微小電気機械システム(MEMS)デバイスついて議論する。本デバイスは対向する2つのアームを有しており、それぞれ静電アクチュエータにより駆動し、二軸傾斜電圧印可ホルダーに搭載しTEM内にて制御する。本デバイスを利用した実験として、STEM内においてSrTiO3単結晶への荷重負荷試験を実施した結果を示す。
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