日本語プログラム(英訳なし)
熱電発電からエアロゲルを使った革新的な断熱材、コロナ即時検出を叶える高感度センサまで。共同研究・技術移転を希望する多彩な成果をご紹介します。
最新成果展示会2020
日本語プログラム(英訳なし)
熱電発電からエアロゲルを使った革新的な断熱材、コロナ即時検出を叶える高感度センサまで。共同研究・技術移転を希望する多彩な成果をご紹介します。
我々のグループでは、熱電高性能化の新原理発掘などにより、熱電発電の200年来の実用化の夢へ挑戦を進めており、一兆個と言われるIoTセンサー・デバイスの自立電源を供給する新規産業の創出を目指している。具体的には、電子物性および熱物性における熱電的性質の従来のトレードオフを凌駕するような、ナノ構造制御や、磁性の活用による熱電効果の増強を見出し、高性能磁性半導体熱電材料という新領域を開拓してきた。共同研究により関連材料を薄膜化することで、従来のチャンピオン材料ビスマステルライドの10倍の出力因子という前人未到の超高性能も見出された。また、産業・大量生産に合致したプロセスによる発電モジュールの開発も進めている。
熱流センサーは、熱の流れる"方向"と"大きさ"を高速に検知できることから、温度計よりも高速な熱検知と高効率な熱制御を可能にするデバイスとして期待される。現行のゼーベック効果型熱流センサーは、感度こそ高いものの、センサー単価が高く、フレキシビリティーが低い、センサー自体の熱抵抗が大きいという重大な課題が解決されず、社会に幅広く利用される汎用的なセンサーにはなっていない。一方、磁性体において発現する異常ネルンスト効果を利用すると、これらの課題が一気に解決できる可能性がある。本発表では、異常ネルンスト熱流センサー実現のための材料開発並びにNIMSにおいて試作した熱流センサーの性能について紹介する。
近年、建造物の省エネルギー化において、温度管理技術に大きな関心が寄せられているところである。再生可能エネルギーの大量導入のためには、発電コストの大幅な低減、低コストかつ大規模な電力貯蔵技術等が必要になる。スマートグリッドの実現には、エネルギー貯蔵システムを介在していかにエネルギーを効率的に収集・分配・ 利用する技術を実現するかが重要である。本研究では、高いパフォーマンスを発揮する断熱エアロゲルコーティング材料の製作、評価に係る開発を行っている。
有機ケイ素アルコキシドを出発原料としたゾル―ゲル反応により柔軟なモノリス型多孔体が得られる。ナノファイバー等と複合化することで、軽量ながらもハンドリング性や機械加工性が向上した材料となる。これらは撥液性や断熱性といった特徴的な物性を示すため、単純な合成プロセスとあわせてさまざまな応用が期待できる。
有機無機ハイブリッド軽量構造材料に電子基板群を内包させ、電子システムの高信頼性と、移動体IoTにおける信号伝送の高度化を達成することができるスマート構造材料の提案と、それを実現するための低温大気圧・高信頼性異種材料接合技術を解説する。
COVID-19のパンデミックにより、世界中で抗菌に対する意識が高まっている。抗菌コーティング剤など材料に求められる要求性能も大きく変化している。一方、無機ナノ粒子(銀など)や有機系抗生物質は安全面から使用禁止の動向にあることから、その代替材料の開発が急務となっている。そのような社会要請の中、我々は安価で高性能な生物資源として、芳香族バイオマスに注目した。中でも、抗菌・抗酸化性などポリフェノールの優れた機能を損なわず変性・加工するコア技術を確立することで、様々な樹脂・塗料・界面活性剤・接着剤等に応用展開した成果について発表する。
規則結晶構造の膨大な第一原理計算データベースは存在するが、物性特性まで評価された領域は非常に少なく、またその領域も狭い範囲にとどまっている。また合金のデータベースはほぼ存在しない。我々は合金系に適用するための自動第一原理計算探索システムの構築を行い、四元等比ハイエントロピー合金のBCC構造、FCCの構造それぞれ約7万件の磁化、磁気転移温度(TC)、残留電気抵抗率(R)の網羅計算を行った。理論的な自動物性量評価を可能とすることで、幅広い物質空間上の回帰・探索が可能となる。この成果がハイスループット合成・評価につながり、新材料の効率的な発見に寄与することが期待される。
For accelerating the design of functional materials (small molecules, polymers, alloys, etc.) and the optimization of their processing conditions, as well as triggering the discovery of unexpected materials and therefore growing the knowledge in materials science, curated small datasets joined to the active learning principles are all you need.