研究テーマ・装置

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コンビナトリアル材料合成と電子材料開発への適用
高機能ナノ立体構造形成技術の開発

分子デバイス開発のための分子配列制御
高機能性有機分子デバイスの開発

極薄エピタキシャルアルミナ膜の成長制御
仕事関数のナノ計測・制御と分子吸着サイトの制御

コンビナトリアル材料合成と電子材料開発への適用

 コンビナトリアル薄膜材料合成手法を用いて各種電子材料の開発を進めています。
 独自に開発した手法とソフトウェア制御によりすべての組成を含む3元化合物を1回の合成で実現します。
この手法を用いてゲート酸化膜、金属ゲート材料探索、酸化物系熱電材料探索などで実績を上げています。
 これらの材料の物性や特性の分析に加えて、理論的なアプローチも進めています。
 また、企業との共同研究、産学独連携研究も積極的に進めています。



コンビナトリアル手法による材料合成の原理
 基板回転と移動マスクを自動制御することで3元化合物を高速に合成します。




コンビナトリアル自動合成を可能にするソフトウェア
 汎用性が高く、ユーザーインターフェイスがわかりやすいソフトウェアを目指しています。


 

コンビナトリアル酸化物作製装置
エキシマレーザによるパルスレーザ堆積法(PLD法)を用いています。
ゲート酸化膜探索や酸化物熱電材料の開発に利用されています。


 

Dual Beam コンビナトリアル介在層作製装置
イオンビームスパッタ法を併用することにより、金属系コンビナトリアル薄膜作製に威力を発揮します。
金属ゲート材料探索などを進めています。



高出力パルスエキシマレーザー



 
 

エックス線回折装置
ローター型大出力エックス線発生装置と、二次元検出器の組み合わせにより、高精度かつ高速、多様な測定が可能です。
コンビナトリアル試料、ナノ構造試料など、当グループで作製した様々な試料についての分析を行います。

高機能ナノ立体構造形成技術の開発

 集束イオンビーム堆積法(FIB法)を用いて、配置制御された高機能ナノ立体構造の作成技術の開発を進めています。
 従来技術において、ナノ立体(3次元)構造は、構造の自由度、配列の自由度、位置の自由度が得られていますが、
 さらに「材料の自由度」を上げることで高機能ナノ立体構造の実現を目指します。



集束イオンビーム堆積法(FIB法)
イオンビームによって生じる二次電子のエネルギーを反応エネルギーとして利用するナノ構造作成技術です。
イオンビームの照射部分にのみ構造が形成されます。




集束イオンビームCVD装置
液体Gaイオン源の集束イオンビームと元素ガス供給用のセル、反応性ガス源用のRFラジカルソースを備えています。




GaN系の原料を用いて作製したナノ立体構造




高機能ナノ立体構造の創製
半導体材料のナノ立体構造の作成技術を開発することで高機能ナノ立体構造の実現を目指します。
現在、窒化物半導体を用いた発光素子をターゲットとしています。

コンビナトリアル材料合成と電子材料開発への適用
高機能ナノ立体構造形成技術の開発

分子デバイス開発のための分子配列制御
高機能性有機分子デバイスの開発

極薄エピタキシャルアルミナ膜の成長制御
仕事関数のナノ計測・制御と分子吸着サイトの制御

分子デバイス開発のための分子配列制御

 有機分子の機能性を最大限に発揮させ分子デバイスの開発へと発展させるためには、個々の分子を孤立分散させたり高度に組織化させるなど分子配列の精密制御が必要とされます。
 ここでは分子構造を適宜設計することにより基板-分子相互作用や分子間相互作用を制御して、分子の分散・集合形態の制御や単一分子の対称性などについて、超高真空STMを用いて研究しています。

STM

超高真空走査型トンネル顕微鏡(STM)装置
基板表面加工から有機分子の精密蒸着および分子構造とその集合体の解析が超高真空中にて一貫して行えます。


<配列分子の解析と制御 −金属基板上での二次元規則配列・一次元分子鎖・単一分子分散−  


高対称性ポルフィリン分子はCu(100)基板上で規則性の高い二次元配列を形成します。


置換基を変えることにより、分子の分散状態が大きく変化することを見出しました。
基板テラス上(○部)では孤立分散し、基板ステップエッジ(矢印部)には選択的に吸着して一次元的に配列しています。


単一分子レベルの構造解析により、構造異性体の分離とそれぞれの対称性を解明しました。


<機能性素子への試み −絶縁基板上での分子配列と機能の発現−  



CaF2/Si(111)基板上に単一分散したC60分子
絶縁薄膜中に単一分散させたC60分子が単一電子素子のクーロンアイランドとして機能します。




CaF2/Si(111)基板上に一次元配列したC60分子鎖
絶縁基板上に分子を一次元配列させて分子配線の構築を目指します。


高機能性有機分子デバイスの開発

 有機材料の特長は個々の分子が機能性を有する一方で、組織化して新たな機能性を発現することにあります。
 ここでは単一分子の特性に由来した分子デバイス開発と高結晶性・高パイ共役性の有機半導体薄膜成長の研究を進めています。
 また、コンビナトリアル手法を取り入れたハイスループットのデバイス開発手法の探索にも取り組んでいます。

O-MBE

積層型分子素子創製装置
超高真空MBE-LEED/AES複合装置です。
基板表面加工から有機分子の精密蒸着、金属・半導体などとの複合薄膜構造の作成および構造・組成の解析が超高真空中にて一貫して行えます。
可動式のマスクおよびシャッターの組み合わせにより、コンビナトリアル手法の適用が可能です。

set

有機分子を中間電極とした単一電子素子の電流−電圧特性
シリコン基板上に絶縁膜・有機分子・金属電極を連続蒸着することにより作製しました。


set

光照射による単一電子トンネリング制御
光によって電子のトンネリング過程が変化しうることを見出しました。


set

単一電子トンネリングの光スイッチング
単一電子光メモリや単一分子光電変換素子などへの応用展開が期待できます。


コンビナトリアル材料合成と電子材料開発への適用
高機能ナノ立体構造形成技術の開発

分子デバイス開発のための分子配列制御
高機能性有機分子デバイスの開発

極薄エピタキシャルアルミナ膜の成長制御
仕事関数のナノ計測・制御と分子吸着サイトの制御

極薄エピタキシャルアルミナ膜の成長制御
 −MIM電子放出源・MIMセンサー、環境用モデル触媒をめざして−


 Al合金を用いて、厚さ1-4nmの原子レベルで平坦かつ単結晶アルミナ膜を 成長させ、そのアルミナ膜を、X線光電子分光法(XPS)、オージェ電子分光法(AES)、 紫外線光電子分光法(UPS)、低速電子線回折(LEED)、反射高速電子線回折(RHEED)、 ケルビンプローブ法(KP)、走査型トンネル電子顕微鏡法(STM)を用いて、in-situ キャラクタリゼーションを行っています。また、このアルミナ膜上への金属蒸着の 制御も行っています。
 極薄金属膜−極薄アルミナ膜−Al合金は、MIM構造を持つ電子放出源やセンサーへの 応用として、金属ナノクラスター−極薄アルミナ膜は、環境用触媒のモデル系として 研究を行っています。
 膜成長のカイネティクス、エピタキシャル成長の格子マッチング、金属−絶縁薄膜の 界面のポテンシャルマッチング、合金の電子状態、電子状態のサイズ効果などを 考察しながら研究を進めています。



LEED/XPS/UPS/KP
LEED/XPS/UPS/KP装置



LEED pattern

CuAl合金上にエピタキシャル成長したアルミナ膜のLEEDパターン



仕事関数のナノ計測・制御と分子吸着サイトの制御
 −ナノ構造表面では吸着・表面反応が変わる−


 イオンスパッタと自己組織化を組み合わせてナノ構造を作製し、非常に小さい領域の 仕事関数をSTMにより計測しています。ナノメーターサイズの構造の仕事関数を走査型 トンネル顕微鏡を用いて定量的に計測する手順を確立しました。
 表面拡散が起こる程度に試料温度を制御しながら、金属表面をアルゴンなどの不活性イオン、 窒素などの反応性イオンで照射することにより、試料の結晶構造が反映されたナノサイズの 穴(ナノピット)を作製しています。試料から探針へのトンネル電流の、試料−探針間距離 変調に対する応答性を計測し、その空間分布をナノメートルの分解能で画像化します。 再構成表面やナノピット表面で、ナノ構造の大きさと局所的仕事関数の関係を調べ、 分子の吸着制御に役立てる。機能の異なる複数の分子を種類別に制御して吸着させ、 分子の協奏的反応を利用した新しいデバイスの開発を目指しています。

STM LBH Au(111)

Au(111)再構成表面のSTM・LBH(局所トンネル障壁高さ)像



STM LBH Au(111) with nanopits

ナノピットのあるAu表面のSTM・LBH像


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極薄エピタキシャルアルミナ膜の成長制御
仕事関数のナノ計測・制御と分子吸着サイトの制御

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