高リン含有溶鋼のMn-Si脱酸・凝固時のPの挙動を、MnO-SiO2-Fet0系スラグと固体鉄または溶鉄を平衡させ、両相中のリンと酸素濃度から、以下の式で表されるリン吸収能の尺度であるフォスフェイトキャパシティ(CP043-)を求め、評価する。
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図1と図2は、固体鉄温度帯および溶融鉄温度帯におけるフォスフェイトキャパシティを示す。高温より、低温の方が大きい値となり、1873Kでは約1016を、1673Kでは約1019を得た。従来のCaO系スラグに比較してフォスフェイトキャパシティは非常に小さく、Mn-Si脱リン時にはリンはスラグ中へほとんど移行せず、鋼中に残留することがわかった。