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研究内容> 特性評価

画期的な機械的性質の実現

* 変形・破壊・疲労特性と組織因子の関係
* 超微細粒組織の特性
* 各種特性バランスの制御(強度-延性、強度-靭性、成形性)

図3 溝ロール圧延の模式図

図4 低炭素鋼に対する0%リン(左)および0.1%リン(右)鋼の溝ロール
圧延加工後の方位分布関数 (Euler空間の2=45度断面を示す)

溝ロール(図3)を用いて温間圧延した低炭素鋼(0.15%C-0.3%Si-1.5%Mn)に対して、リンが集合組織形成に与える影響について検討を行った。

図4は、X線回析で得られた方位分布関数であり、図中A,B,Cはファイバーに、E,F点はファイバー*に相当する。

* 一般に、<011>方向が圧延面(RD)に垂直な繊維集合組織をファイバーといい、<111>方向が圧延面に垂直な繊維集合組織をファイバーという。ファイバーの発達は、深絞り加工の指標となるr値を高める効果がある。図2から、0%リンに比べ0.1%リンの方が、E,F点での強さが大きくなっているのがわかる。
リンの存在は大角粒界と優れた材料成形性に寄与するファイバーの発達を促進することがわかった。
マクロ・ミクロ組織の観察

X-rays


EBSP

Fe-C

Fe-C-P



ミクロ組織を変化させた場合の機械的性質の変化
SM490相当鋼(0.15%C-0.4%Si-1.5%Mn)よりフェライト粒径の異なる3種類のフェライト-パーライトが鋼(3.6, 9.8, 46.2m)を作製し、温度とひずみ速度を変えた引張試験を行った。

図 は、この3種のフェライト-パーライト鋼の応力-ひずみ曲線である。
変形応力は、フェライト粒径が小さくなるほど増大した。

図 は、フェライト粒径と10%流動応力の関係を示したものである。結晶粒微細化が鋼の変形応力を増大する一方で、均一伸び、全伸びは減少することを明らかにした。
また、リューダース変形領域以降では、粒径は変形応力の温度とひずみ速度依存性に影響ししないことがわかった。

試験温度 296 K, ひずみ速度103 s-1

図 3種類の粒径サイズを変えたフェライト/パーライト組織鋼の応力-ひずみ曲線
図 3種類の粒径サイズを変えたフェライト/パーライト組織鋼の温度とひずみ速度に対する引張試験結果