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高性能水素分離膜用材料の開発

高性能な水素透過精製用合金膜の開発を目指して
-超高純度水素を手軽に精製する合金膜-

 当サブグループでは、環境負荷の小さい材料を用いて、高性能な金属系水素分離膜の開発に取組んでいます。

 純度の高い水素の製造は、現在から将来に渡るエネルギー・環境問題に関連して重要な技術課題です。水素は燃焼等によりエネルギーを取り出す際に二酸化炭素を全く排出しないため、地球温暖化対策の鍵を握るクリーンな二次エネルギーです。水素の純度は、水素を利用したエネルギー変換技術の中心に位置する水素吸蔵合金や燃料電池等の使用寿命に直接影響を与えるため、水素エネルギーの本格利用に向けて超高純度の水素を効率的に大量に精製するための技術開発は非常に重要であると位置づけられています。


 我々は既存のPd-Ag合金よりも高い水素透過性能を持ち、かつ安価な材料としてVに注目し、その高い性能を損なうことなく、欠点である水素脆性による割れを抑えるような合金元素の探索を行った結果、VにNi、Co、Moを適当量添加すると優れた特性を持つことを見出しました。これら合金の膜に水素解離用触媒として、また耐酸化性を付与する目的でPdを100nm程度被覆した複合膜は、高性能な水素透過膜として期待されます。(図2)に、Pd被覆したV-Ni合金膜の水素透過特性をPdおよびPd-Ag合金と比較して示します。
 処理能力増大化に向けて、V-Ni合金膜の薄肉化の影響を検討した結果を図3に示します。

表面処理をうまく行うことで、Pd−Agを超える高い流量が40μmの薄い膜について実際に得られることが分かります。

 現在までに冷間圧延により厚さ20μmの薄膜が得られています。



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