イベント

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第31回NBCI-NIMS合同連携セミナー

2018.05.21 15:00 ~ 2018.05.21 18:30

開催趣旨

本セミナーは、NBCI(ナノテクノロジービジネス推進協議会)材料分科会とNIMSが以下の目的に基づき共同企画し、
隔月でつくばにて開催しています。
① NIMSは、自分たちが進める最先端研究を民間企業に紹介することにより、その最先端研究に対する民間企業のニーズを知る。
② NBCI会員企業は、NIMSが進める最先端研究が自分の仕事に如何に役立つかイメージする。
③ NIMSから紹介された研究テーマで興味深いものについては、連携の方法を含めてNIMSとNBCI会員企業との連携について考えていく。

受講者は原則としてNBCI会員に限られますが、定員の枠内であれば、NBCIを通して非会員の方の受講
も歓迎します。受講を希望される方はNBCI事務局にお問い合わせください。

お問い合せ先:NBCI材料分科会事務局
E-Mail:nbci08=nbci.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)

プログラム

日時

5月21日(月)15:00-17:15 (交流会は18:30まで)

開催場所

先進構造材料研究棟 5Fカンファレンスルーム
見学場所:精密計測棟214号室 
交流会会場:先進構造材料研究棟 5階

プログラム

15:00-17:15  講演、施設見学、質疑応答
17:15-18:30 講師を囲む交流会(参加費 1500円)

セミナータイトル:
「KFMによる金属組織観察の勧め」
  —あなたは真の金属組織を観ていないかもしれない—

講師:
升田博之NIMS特別研究員
構造材料研究拠点/解析・評価分野/疲労特性グループ

プロフィール:
1977年東京大学金属工学科卒、1982年New South Wales大学金属学科修了Ph.D。
AD.DA変換器を用いた装置開発、走査型プローブ顕微鏡(SPM)観察が得意。
特に印象に残る研究では、SPMの適用手法であるケルビンフォース顕微鏡(KFM)
などによる水素のその場観察。最近ではイオンミリング、KFM、後方散乱電子回折
(EBSD、ミクロな結晶方位や結晶系を測定)などの組み合わせによる新しい組織観察法の普及のための基礎データの取得を目指している。

概要:
KFM は表面の凹凸と電位の分布を同時に取得できる点で優れている。だが、測定技術の習得が
SEM(走査型電子顕微鏡)などに比べて困難なため、あまり普及していない。しかし KFM でしか測定できない対象や現象は多く、極めて魅力的な観察手段だが、組織観察への応用を研究している研究者は講師の外には見当たらない。
従来の金属組織の同定は、主に、組織によって腐食速度が異なる適切な条件を見つけ、エッチングという手法で凹凸を付け、光学顕微鏡などでその凹凸を観察するという原理による。実際には、複雑な多相組織の場合など、凹凸が組織区別に対応できているかどうかの検証が難しい。またエッチングが困難な金属材料も多い。
これらの問題解決には、KFM が強力な手段となる。講演では、イオンミリングで表面の研摩影響層を取り除いて KFM 観察するとどのように組織が観察されるかの具体例を示す。
さらに、KFM でしか観察できない事例として、数 nm の水膜の成長、水素のその場観察、大気腐食などについても紹介し、受講者には、KFM 手法について、基本的知識、有効性を学んでいただき、今後の有効活用をご検討いただきたい。金属に限らず、酸化物などにも適用できる。
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