イベント

イベント

第19回NBCI-NIMS合同連携セミナー(構造材ゼミ014)

2015.10.23 15:00

開催目的

本セミナーは、NBCI(ナノテクノロジービジネス推進協議会)材料分科会とNIMSが以下の目的に基づき共同企画し、隔月でつくばにて開催しています。
① NIMSは、自分たちが進める最先端研究を民間企業に紹介することにより、その最先端研究に対する民間企業のニーズを知る。
② NBCI会員企業は、NIMSが進める最先端研究が自分の仕事に如何に役立つかイメージする。
③ NIMSから紹介された研究テーマで興味深いものについては、連携の方法を含めてNIMSとNBCI会員企業との連携について考えていく。
 
受講者は原則としてNBCI会員に限られますが、定員の枠内であれば、NBCIを通して非会員の方の受講も歓迎します。受講を希望される方はNBCI事務局にお問い合わせください。
 
お問い合せ先:NBCI材料分科会事務局 
E-Mail:nbci08=nbci.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください) 

プログラム

1.日時
2015年10月23日(金)15:00-18:45

2.場所
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 
千現地区先進構造材料研究棟 5F Conference Room

3.プログラム
1)セミナー  15:00 ~ 16:00  先進構造材料研究棟 5F
「セラミックスやプラスチックス材料の欠陥検出に有効で、X線よりも手軽な、テラヘルツ波を使った非破壊評価技術の開発」

講師 : 渡邊 誠(ワタナベ マコト)
構造材料研究拠点 構造材料基盤技術ラボ コーティングチーム
(環境・エネルギー材料部門 先進高温材料ユニット コーティンググループ)
http://samurai.nims.go.jp/WATANABE_Makoto-j.html


2)設備視察  16:00 ~ 16:30  先進構造材料研究棟 1F 119号室
3)質疑応答  16:30 ~ 17:30  先進構造材料研究棟 5F
4)講師との懇談  17:30 ~ 18:45  先進構造材料研究棟 5F

概要

 テラヘルツ(THz)波は、周波数帯域0.1 ~ 10 THz(波長30 μm ~3 mm)、場合によっては0.1~100 THz程度の電磁波の総称である。周波数が電波と光波の中間にあたり、波長が長く、セラミックスやプラスチックス材料に対し、優れた透過性を有している。 一方で、X線や中性子線とは異なり、人体への影響がほとんどなく安全であることから、材料やデバイスの新しい非破壊評価技術として期待されている。
し かしながら、新しい技術であることから、非破壊評価法として、具体的にどのような材料のどういった欠陥や劣化などが評価でき、従来技術と比べてどれほど利 点があるのかなど、一つ一つ明らかにしていく必要がある。実用材料の非破壊評価という視点から、NIMSにおいて、実際に検討を行ってきた研究事例を紹介 し、評価技術としての可能性および現状での課題などについて紹介する。
具体的には、ジェットエンジンやガスタービンで利用されるジルコニア耐熱 コーティング材のはく離検出、コーティング材の気孔率評価への応用研究、軽量で優れた比強度を有する繊維強化プラスチック複合材料への適用研究について紹 介する。さらには、テラヘルツ波の発振・検出素子に関する研究についても触れたい。
材料の非破壊評価研究に関心のある方のご参加を歓迎いたします。

参考URL:http://www.nims.go.jp/cccenter/coating/watanabe/index.html
参考文献:渡邊誠、黒田聖治、山脇寿、志波光晴、“テラヘルツ波による耐熱コーティング材の非破壊評価”、非破壊検査、 59[10] (2010) 526-532.

報告

会員9社から13名の受講者に加え、事務局から23名の参加があった。
長井寿構造材料研究拠点長による司会の下、講演と設備見学、その後の質疑応答という流れでセミナーは進められ、比較的新しい分野であるテラヘルツ波について、一般論、構造材料の非破壊検査応用への期待と問題点などについての理解を深めた。質疑応答では、偏平形状粒の方向性の評価、測定時間、鏡面の影響などの測定法に関する具体的な質問とともに、テラヘルツ波の持つ可能性をより現実化するために必要なポイント、例えば、より強い発光源開発の展望、THzイメージングのためのブレークスルポイントなどが議論された。受講者にとってはまだ身近な手法ではないが、将来の事業に取り組んでいくイメージづくりのよい機会となった。
講演する渡邊 誠主幹研究員
ページトップ