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第1回 構造材料研究拠点キックオフシンポジウム開催報告

2015.03.09

シンポジウム概要

2015年3月9日(月)に、東京都千代田区の一橋講堂において、「構造材料研究に期待するもの-構造材料研究拠点が果たすべきもの」と題し、構造材料研究拠点(RCSM※)のキックオフにあたる第1回のシンポジウムを開催しました。
※ Research Center for Structural Materials

本拠点は、2014年10月1日に正式に機構内組織として設立、産学官連携のハブ体制を構築し、出口から見た基礎研究(課題解決型の基礎研究)の推進により、革新的なシーズの創出とその磨き上げにおいて重要な機能を果たす「産学官共同研究及びネットワーク型の拠点」として、内閣府の「科学技術イノベーション総合戦略2014~未来創造に向けたイノベーションの懸け橋~」(平成26年6月24日閣議決定)においてもその役割が期待されています。この期待に具体的に応えるため、当拠点は機構外からも広く参画を募り、竣工間近の新棟を中心に基礎研究をベースとした情報交流や標準化及び人材育成を旺盛に進めていく計画であり、本シンポジウムでは、様々な分野における産学の有識者から、国土強靭化や産業競争力強化の観点に立った中長期的、かつ持続的な構造材料技術に関連する拠点への期待と注文を頂くことを目的として企画しました。

当日は産学官の約100に及ぶ様々な分野の機関(企業)から260名余の参加者が集い、まず始めに潮田資勝理事長が開催の挨拶を兼ねて開催趣旨と拠点の目的や運営を説明、続いて文部科学省大臣官房(研究振興局担当)の安藤慶明氏から来賓としてのご挨拶を頂きました。
続いて、招待講演として京都大学の宮川豊章教授から①「分子構造から土木構造まで」と題しインフラ維持管理の視点から土木と材料の技術や人材融合の必要性に関する総合的なご講演を頂いた後、関連するインフラおよび革新構造材料に係る各分野の有識者として、鉄鋼分野からは新日鐵住金㈱の菅野良一フェローが②「鋼構造と鉄鋼材料の発展ならびに構造材料研究への期待」、土木建設分野から清水建設㈱の兼光知巳上席研究員が③「建築の可能性を拡げる構造材料への期待」、エネルギー重工分野では㈱東芝 電力システム社の久保貴博部長から④「将来の火力発電機器用材料の方向性」、複合材料分野からは東レ㈱の遠藤真所長が⑤「炭素繊維複合材料の期待と課題」と題し、夫々の分野における技術的な現状や将来の課題・開発動向、その中での構造材料研究開発の在り方について示唆に富む内容をお話頂きました。さらに特別講演として、東京大学の鈴木俊夫名誉教授が⑥「構造材料研究拠点への期待-マテリアルズインテグレーションの視点から-」と題し、SIPや未来開拓等の大型プロジェクト課題における高度な材料計算科学の位置づけと重要性について説明され、拠点への期待を込めた忌憚のないアドバイスも述べられました。6件のご講演は何れも将来性に富んだ内容で、拠点をハブとした連携体制の核となる今後のビジョン策定に直接役立つものばかりでした。
以上のご講演に対して、構造材料研究拠点の長井寿拠点長が「構造材料研究拠点の目指すもの」と題し拠点を中心とした今後の中長期的な国策としての研究開発の進め方に関する所信を表明、最後に室町英治理事の挨拶を持って閉会致しました。多くの参加者は各講演者の熱のこもったお話に殆ど席を離れること無く最後まで熱心に聞き入っておられ、関心の高さが示されました。

シンポジウムの後の懇親会にも聴講者の半数近くの方に参加頂き、文部科学省研究振興局参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)長野裕子氏のご挨拶に続き懇談を開始しましたが、こちらも最後まで活発な意見交換・懇談が繰り広げられました。

開会挨拶

NIMS 潮田資勝 理事長
文部科学省大臣官房審議官(研究振興局担当) 安藤慶明氏

ご講演

京都大学 宮川豊章 教授
新日鐵住金㈱ 菅野良一 フェロー
清水建設㈱ 技術研究所 兼光知巳 上席研究員
㈱東芝 電力システム社 久保貴博 金属材料開発部部長
東レ㈱ 複合材料研究所 遠藤真 所長
東京大学 鈴木俊夫 名誉教授

閉会挨拶

NIMS 長井寿 構造材料研究拠点長
NIMS 室町英治 理事

懇親会

文部科学省研究振興局(ナノテクノロジー・物質・材料担当) 長野裕子参事官 ご挨拶
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