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「リサイクル鉄の超鉄鋼化」プロジェクト 最終報告会
冶金グループ 小林 能直
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去る4月25日、本ニュースの前身「Eメールニュース・ミレニアム〜つくば便り」で、研究成果などを紹介してまいりました研究プロジェクト、ミレニアムプロジェクト「リサイクル鉄の超鉄鋼化」の最終報告会が行われました。 資源循環型社会の構築を目指した新世紀構造材料研究として2000年度より実施してまいりました本研究課題は、不純物含有鋼からの創製材の強度1.5倍化、プロセス制御因子解析、リサイクル鋼創製設備整備などの成果をあげ、2004年度末を持って終了いたしました。皆様の多大なるご支援ご協力を得ましたこと、ここにあらためて感謝申し上げます。

 報告会には、内外より約90名の方が参加され、まず、(1)プロジェクトの生まれ、背景、超鉄鋼からの技術展開などの概要(津崎兼彰)、(2)市中スクラップの不純物動向や国内外の鉄鋼関連調査研究(花村年裕)、(3)プロジェクトで導入した各種創製設備や実験装置(岩崎智)について報告を行いました。そして各技術的課題の成果として、(4)急速凝固・冷却プロセスによる不純物を有効利用した組織・析出物制御(小林能直)、(5)連鋳材の凝固組織と力学性能(殷福星)、(6)せん断付与加工プロセスによる形質制御に関する研究成果(井上忠信)を報告いたしました。

その後、総合討論(早稲田大学伊藤公久教授)を行い活発な意見交換が行われ、総括(東京大学月橋文孝教授)いただきました。

 プロジェクトの意義にご賛同をいただき、技術的成果にも大変興味を持っていただき、さらなるアドバイスをいただくともに、今後の産学独連携のあり方についてなど、多くの皆様より貴重なご意見、ご助言をいただきました。また研究成果、活動内容をまとめました最終報告書を配布いたしました。(近日中に下記ホームページ内で閲覧可能になります。)

 本プロジェクトで得た数々のシーズは、実用化して初めて、今後資源循環型社会の構築に貢献できるものです。これだけの技術を駆使すれば、スクラップ鉄も含めた低級鉄資源を用いて、不純物を有効利用した環境負荷の少ない鉄作りが可能になります、という可能性を提言するところまでは到達いたしましたが、今後実用化に向けて、あるいはさらなるシーズ創出へ向けて、これまでご協力いただきました方々をはじめ、皆様方と協調して研究を推進することが大変重要と考えております。ご興味のある方は、下記をご覧いただき、ご連絡いただければ幸いです。

 http://www.nims.go.jp/stx-21/jp/index-j.html

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。