研究の背景
消耗電極式溶接(MIG溶接)では、安定な溶接を行うためにArシールドガスに酸素や二酸化炭素を加えます。
これらのガスに含まれる酸素は溶接金属の性能低下の原因となるので高性能な溶接継ぎ手を形成するためには使用されません。
現在の課題
純Arシールドガス中のMIG溶接では酸素を低減できるので高性能な溶接金属が得られます。
しかし、ワイヤの先端には長く伸びた溶融金属の液柱(CLM)が形成され不安定に動き回り溶接が不安定になります。
このため、純ArのMIG溶接は実用化されませんでした。
![]() 一方、内側と外側で融点差を持つ 同軸複層ワイヤ を用いた場合では、 溶融金属液柱(CLM)は生じることなく安定な溶滴移行となります。(図3) その結果、純Arシールドガス中でも安定な溶接施工が可能となり、溶接金属中の酸素を低減した高品質な溶接継ぎ手を作ることができます。(図4)
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