構造体化研究グループ
主幹研究員 入江 宏定
溶接や溶射による構造物化を念頭に、開発材料の特性を生かし、使用環境を認識した最適接合法を開発するために基礎研究を行っている。接合プロセスの諸現象のモデル化を図り、ミクロ組織と残留応力のシミュレーション予測手法を確立し、接合条件の最適化による破壊特性の向上を目指している。
サブグループ紹介
第1サブグループ
高能率小入熱アーク溶接の開発と、その溶接継手部の組織、延性/脆性破壊解析を行いながら、母材特性保存型溶接を目指している。また、超音波探傷、磁気探傷等の非破壊計測技術を用い、材料や溶接部の欠陥検出能力の向上および欠陥の位置決め、さらには材質変化領域の可視化に挑戦している。
第2サブグループ
レーザ溶接法とその継手性能、レーザスペックルによる溶接ひずみの計測、耐熱鋼継手部のクリープ劣化メカニズムの分野を研究している。20kWCO2レーザ溶接装置を導入し、板厚20mm以上の深溶込み溶接及び高速溶接を目指す。ひずみ測定技術は残留応力測定の可能性を持つ。
第3サブグループ
溶射によって材料表面に使用環境に適応するような機能的皮膜を形成する研究をしている。溶射装置としては、大気中プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、高速フレーム溶射を整備している。現在は、主として高速フレーム溶射によってクラッド材に比肩するような耐海水性を有する皮膜の開発を目指している。