更新日 : 2001年7月10日
ナノ・原子レベルでの組織と破壊様相の先端的解析技術により、遅れ破壊、長期疲労、クリープなどの現象の本質を明らかにし、これらの特性を向上させるための指導原理の確立を図っている。また種々の環境下での評価を行い、評価法の標準化、加速試験法の確立を目指している。
サブグループ紹介
第1サブグループ 第1サブグループは、800MPa級の超微細粒フェライト鋼を構造物に使用する場合の鍵を握る溶接継手部の疲労特性の向上ために、力学的な視点から支配要因を解明し、さらに具体的な向上方案を提案することを目指して研究を進めている。中でも溶接残留応力の制御が最大の視点である。
第2サブグループ 第2サブグループは、1500MPa超級鋼の遅れ破壊特性・疲労特性向上のために、メカニズムの解明、それに基づく具体的な向上指針の提示、さらに評価法の確立の研究を進めている。最大の特徴は、原子・ナノレベルにまで遡った解析がブレールスルーのために必須であるという認識のもとに、世界に先駆けた解析機器の開発も自ら行っていることである。
第3サブグループ 第3サブグループは、火力発電プラントに使用される耐熱材料のクリープ特性の向上及び、そのために不可欠な短時間評価法の確立を目指して、クリープ特性支配機構の解明を進めている。クリープ破断時間ではなく、クリープ変形挙動に基づいた解析を指向している点に特徴がある。また、溶接継手部のクリープ強度の向上を目指した研究も進めている。 さらに、蒸気温度として650℃を目標する耐熱鋼に必須の要件である高温酸化の抑制のための方案の提示を目指した研究を進めている。フェライト系耐熱鋼の高温酸化挙動と合金元素の影響の解析からスタートし、酸化速度の抑制にとどまらず、皮膜の耐剥離性にも優れた材料創製方案を提案することを目指している。
第4サブグループ 第4サブグループは、火力発電プラントなど高温機器が起動・停止に伴って必然的に問題となる高温疲労特性の評価や、クリープ疲労特性向上を目指した指導原理、試験法の開発などの研究を進めている。軸芯制御性に優れた疲労試験機を導入し、高温大気、真空、水蒸気環境下の疲労、およびクリープ疲労相互作用下の特性評価を各種耐熱鋼について明らかにする。