表界面物理計測グループ

表界面物理計測グループでは、表面反応の素過程や、反応によって生じた物性変化を、物理化学的に追及しています。産業等、近視野的に利用すべきターゲットを追うのがNIMSのプロジェクト研究なら、それと並行してプロジェクトで利用されている物理現象が、一体何に起因しているのかを探る事が、当グループの目的です。実験系ではありますが、基礎物理学に近い研究を行っています。

専門分野・研究対象

以下の分野のテーマで研究をしています。
  • 液相・気相中、光照射下における、表界面・欠陥を介した電荷移動ダイナミクスを、誘電特性や発光特性などの周波数分散特性から調べ、機能発現を電荷の動きから理解し制御する。
  • 表面や界面における現象について、固体とイオン液体との界面に着目し、電界効果デバイスの開発のための基礎研究を行う。
  • 表面応力の発生と表面構造変化、分子吸着を判定し、その関係を解明する。
  • 材料内を拡散する微量原子・微量分子の拡散経路を解明し、機械特性に及ぼす影響を制御する。


トピックス

材料の微細構造およびバリア膜・接合界面等からのガス透過放出位置の可視化装置の開発

板状金属の背面から水素等を供給し、反対面から放出される原子・分子を電子衝撃脱離法 (DIET法) により検出し、画像化することで、固溶サイトや透過経路を解明する装置を開発しました(特開2017-187457,特願2018-26518) 。
SEM 像との比較により、粒界や結晶粒を経由した水素の放出の時間依存性が検出されました
(Scripta Materialia 144 (2018) 69)。

今後の展開としては、DIET 法と応力等の機械特性の評価、顕微構造解析を組み合わせ、低ガス放出金属や低水素脆化金属の開発にフィードバックします。 また、水素バリア層形成など表面処理による機能性向上を試み、水蒸気バリアフィルム等、非金属電子材料への展開も図っていきます。

「水素透過測定顕微鏡模式図 : 電子顕微鏡にイオン検出器を質量分析器を付加し、電子線と同期させて画像を取ることで、透過した水素の二次元分布を画像化する。」の画像

水素透過測定顕微鏡模式図 : 電子顕微鏡にイオン検出器を質量分析器を付加し、電子線と同期させて画像を取ることで、透過した水素の二次元分布を画像化する。




テスト薄膜から実用デバイスへ 新しい計測の展開

「GaN:Eu赤色発光ダイオードの多次元状態マッピング」の画像

GaN:Eu赤色発光ダイオードの多次元状態マッピング


光ルミネッセンス測定は、光る半導体の探査や選定に欠かせない。しかし、実際の発光デバイスを光らせるのは、光ではなく注入電荷である。
最近、発光ダイオードの多次元状態マッピング法が当研究室で開発された。電荷の注入制御 (パルス駆動周波数) の軸を加えた三次元発光スペクトル (図) は、光ルミネッセンスではわからなかった、GaN:Eu LED (次世代GaNベース赤色発光ダイオード : 大阪大学工学部提供) 固有の発光機構をナノスケールで明らかにした。


おしらせ

拠点からのお知らせ

表界面物理計測グループは、先端材料解析研究拠点に属しています。
先端材料解析研究拠点のセミナー、ニュース、プレスリリース等は、こちらをご覧ください


NIMSジュニア研究員 岩澤智也さんが、講演奨励賞を受賞

2018年11月19日~21日、神戸国際会議場で開催された「2018年日本表面真空学会 学術講演会」において、当グループのNIMSジュニア研究員で筑波大学大学院 数理物質科学研究科 前期課程2年 (発表当時1年) の岩澤智也さんが、講演奨励賞 (スチューデント部門) を受賞しました !
発表題目 : 「ステンレス鋼を透過した重水素の挙動観察」

2019年5月の同学会総会において表彰状とメダルが贈呈され、学会HPに掲載されます。


当グループでポスドク研究員を募集中

業務(研究)内容 :
  • オペランド水素顕微鏡を用いた水素放出測定とその解析
  • 超高真空装置の設計及び操作
任期 : 最長3年、単年度更新

詳細はこちらの募集記事をご覧ください。


研究紹介ムービー公開中

NIMSが製作したムービーを集めたライブラリ内で、板倉グループリーダーと宮内研究員が出演する動画が公開されています。
「金属をもろくする水素の動きが見える ! 世界唯一の電子顕微鏡」
水素社会の到来を迎え、注目を集める観察法の概略が紹介されています。ぜひご覧ください。

※リンク先の動画は著作権法で保護されており、営利・非営利いずれの目的に関わらず、無断で転載・流用することはできません。


機構の広報誌に、研究紹介記事掲載のお知らせ

当機構の広報誌『NIMS NOW』Vol.16 No.3に、グループリーダーの板倉による「水素透過型測定顕微鏡で水素の道すじを明らかに」と題する記事が掲載されています。
こちらからPDFファイルでご覧いただけます。


TIAかけはし 合同キックオフミーティング開催のご報告

2018年9月12日 (水) に物質・材料研究機構 千現地区において、平成30年度TIA連携プログラム調査研究「先進イナート表面への挑戦 : 極低活性・極低反応性表面を実現する材料/処理技術の探索とその計測技術の調査」 (代表 : 板倉明子 (NIMS) 、以下TIA-INERT) および、「非蒸発型ゲッターコーティングによる真空排気技術の革新的展開」 (代表 : 間瀬一彦 (KEK) 、以下TIA-NEG) の合同キックオフミーティングを開催しました。午前中 (TIA- INERT) の参加者は40名、午後 (TIA-NEG) の参加者は42名で、午前、午後とも活発な議論が交わされました。

当日のプログラム等は、TIAかけはしのサイトをご覧ください。 (「イベント等」>「2018.09.12 (終了)」)


研究会のご報告

Solution to quenching problems of nano opto-electronic materials in international framework
「ナノ光電子材料における消光問題の国際的枠組による解決」研究会
を、2016年8月19日 (金) 13:00-17:30に、京都大学 人間・環境学研究科セミナー室で開催いたしました。詳細はこちらまで。


グループ名変更のお知らせ

旧「表面物理グループ」は2016年4月1日より「表界面物理計測グループ」に名称を改めました。旧グループの研究を一部引き継ぐとともに、更に進んだ研究を展開してまいります。


最近の刊行物

グループから発表された最近の論文や著作です。過去の発表はNIMS研究者総覧 (下記「関連リンク」または上記「グループメンバー」からアクセス) でご覧ください。

2019
  • Naoya Miyauchi, Tomoya Iwasawa, Yoshiharu Murase, Shoji Takagi, Akiko N. Itakura, “Observation of Metal Surface by Operando Hydrogen Microscope” Vacuum and Surface Science 62 [1] (2019) 27-32 10.1380/vss.62.27

2018

  • A. N. Itakura, M. Tosa, T. Yakabe, N. Miyauchi, A. Kasahara, T. Miyata, T. Shindo, “Low Outgas Surface Treatment of Stainless Steel 316L Using Segregated Chromium Oxide Layer” Vacuum and Surface Science 61 [10] (2018) 675-680 10.1380/vss.61.675
  • Masaya Toda, Koji Miyake, Li-Qiang Chu, Marjan Zakerin, Renate Förch, Rüdiger Berger, Akiko N. Itakura, “Young's modulus of plasma-polymerized allylamine films using micromechanical cantilever sensor and laser-based surface acoustic wave techniques” Plasma Processes and Polymers 15 [9] (2018) 1800083 10.1002/ppap.201800083
  • Naoya Miyauchi, Kenichirou Hirata, Yoshiharu Murase, Hiroyuki A. Sakaue, Taro Yakabe, Akiko N. Itakura, Tetsuji Gotoh, Shoji Takagi, “2D Mapping of Hydrogen Permeation from a Stainless Steel Membrane” SCRIPTA MATERIALIA 144 (2018) 69-73 10.1016/j.scriptamat.2017.09.026
  • Akiko N. Itakura, Naoya Miyauchi, et al., Compendium of Surface and Interface Analysis, Springer, (2018)

2017
  • Fengniu Lu, Tomohisa Takaya, Koichi Iwata, Izuru Kawamura, Akinori Saeki, Masashi Ishii, Kazuhiko Nagura, Takashi Nakanishi, “A Guide to Design Functional Molecular Liquids with Tailorable Properties using Pyrene-Fluorescence as a Probe” SCIENTIFIC REPORTS 7 (2017) 3416-1-3416-12 10.1038/s41598-017-03584-1
  • 板倉 明子, 宮内 直弥, 村瀬 義治, 高木祥示, “水素計測電子顕微鏡の開発” 配管技術 59 [13] (2017) 14-18
  • Minoru Kubo, Eriko Nango, Kensuke Tono, Tetsunari Kimura, Shigeki Owada, Changyong Song, Fumitaka Mafuné, Ken Miyajima, Yoshihiro Takeda, Jun-ya Kohno, Naoya Miyauchi, Takanori Nakane, Tomoyuki Tanaka, Takashi Nomura, Jan Davidsson, Rie Tanaka, Michio Murata, Takashi Kameshima, Takaki Hatsui, Yasumasa Joti, Richard Neutze, Makina Yabashi, So Iwata, “Nanosecond pump-probe device for time-resolved serial femtosecond crystallography developed at SACLA” JOURNAL OF SYNCHROTRON RADIATION 24 (2017) 1086-1091 10.1107/s160057751701030x
  • 真船文隆, 武田佳宏, 河野淳也, 登野健介, 宮島謙, 宮内 直弥, “従来の数10分の1の試料で結晶構造解析を可能にする技術を開発” JOURNAL OF JAPAN LASER PROCESSING SOCIETY 24 [2] (2017) 51-55

2016
  • 石井 真史 “「光らなかった」過程を測る” OYO BUTURI 85 [3] (2016) 223-227
  • Maxime Paven, Regina Fuchs, Taro Yakabe, Doris Vollmer, Michael Kappl, Akiko N. Itakura, Hans-Jürgen Butt, “Mechanical Properties of Highly Porous Super Liquid-repellent Surfaces” ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS 26 [27] (2016) 4914-4922 10.1002/adfm.201600627
  • M. Ishii, A. Koizumi, and Y. Fujiwara, “Dimerization of emission centers in Eu-doped GaN red light emitting diode: Cooperative charge capturing using valence states coupling” Journal of Physics: Condensed Matter 29, 025702 (2017) doi:10.1088/0953-8984/29/2/025702
  • M. Ishii, A. Koizumi, Y. Fujiwara, “Trapping of injection charges in emission centers of GaN:Eu red LED characterized with 1/f noise involved in forward current” Jpn. J. Appl. Phys 55[1] (2016) 015801-1 DOI:10.7567/JJAP.55.015801

2015
  • Y. Kamon, Y. Kitayama, A. Itakura, K. Fukazawa, K. Ishihara, T. Takeuchi, “Synthesis of Grafted Phosphorylcholine Polymer Layers as Specific Recognition Ligands for C-Reactive Protein via Optimization of” Phys. Chem. Chem. Phys. 17[15] (2015) 9951-9958 DOI:10.1039/c5cp00469a
  • 板倉明子, “真空基礎講座 真空部品と可動機構” JOURNAL OF THE VACUUM SOCIETY OF JAPAN 58[8] (2015) 282-291
  • 宮内直弥, 鈴木 真司, 高木 祥示, 後藤 哲二, 村瀬義治, 板倉明子, “ステンレス表面上の透過水素分布の観察” JOURNAL OF THE VACUUM SOCIETY OF JAPAN 58[10] (2015) 387-391
  • 板倉明子, “曇らない鏡の秘密 他” すごいぞ ! 身のまわりの表面科学 (ブルーバックス) (2015) 12-16
  • M. Ishii, A. Koizumi, Y. Fujiwara, “Nanoscale determinant to brighten up GaN:Eu red LED: Local potential of Eu-defect complexes” J. Appl. Phys. 117[15] (2015) 155307-1 DOI:10.1063/1.4918662
  • M. Ishii, S. Fuchi, Y. Takeda, “Interaction of Nd dopants with broadband emission centers in Bi2O3–B2O3 glass: Local energy balance and its influence on optical properties” J. Phys.-Condes. Matter 27[39] (2015) 395402-1 DOI:10.1088/0953-8984/27/39/395402
  • M. Ishii, A. Koizumi, Y. Fujiwara, “Three-dimensional spectrum mapping of bright emission centers: investigating the brightness-limiting process in Eu-doped GaN red light emitting diodes” Appl. Phys. Lett. 107[8] (2015) 082106-1 DOI:10.1063/1.4929531


グループメンバー

お問い合わせ先

表界面物理計測グループ
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
E-Mail: INAISHI.Kaname=nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)