磁性理論グループ

物性理論に基づいた磁性材料設計と性能予測

2022.01.14 更新

磁性・スピントロニクス材料研究拠点では、大容量ストレージや省エネコンピューティングメモリを実現するための磁気記録・スピントロニクス素子やクリーンエネルギーの実現に必要な新規磁性材料の開発、さらには生体に生じる微弱な磁場や人工知能による自動運動を可能とするための電流磁場を感知するための超高感度磁気センサーの研究開発を進めている。これらの実現のためには、室温以上で安定に動作する新規磁性・スピントロニクス材料が必要不可欠であり、その効率的な探索には第一原理計算を用いた磁気物性予測が必要不可欠である。第一原理計算とは、原子核と電子および電子間相互作用と電子運動エネルギーを出発点として、物質を構成する元素とその位置のみの情報から、物質のあらゆる物性を計算する手法のことである。計算における仮定が非常に少なく、実験とは独立に材料の物性値を得ることができることから、近年、材料開発をはじめさまざまな研究プロジェクトで必須の研究手法である。本グループでは、特に、第一原理計算と有限温度でのフォノン・マグノン等の素励起の効果を取り入れた有効モデル計算を組み合わせた解析を行うことにより、有限温度で安定に動作する磁性・スピントロニクス材料・デバイス開発に貢献する理論研究を行う。また、機会学習や自動計算を援用して、高効率な材料探索を実施し、新材料開発に貢献する。

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研究対象



磁性・スピントロニクスに関連する材料の中で、モーターや発電機などの省エネデバイスに必要な高性能磁石の磁気物性、磁気メモリや磁気センサー・磁気ヘッドへの応用が期待されるハーフメタル材料や垂直磁気材料およびそれらを組み合わせた磁気接合素子が重要となっている。これら磁性材料やデバイスの電子状態・スピン依存度伝導特性の理論計算を行い、実用化に向けた問題解決の指針を提示する。また、3端子スピンロジックメモリでのスピントルク磁化反転を与える異常ホール効果・スピンホール効果・ラシュバ効果・磁気ダンピング等のスピン輸送現象および、スピンデバイスにおける熱制御のための異方的磁気ペルチェ効果や異常エッチングスハウゼン効果などの熱スピン効果をもたらす新規磁性材料の理論研究を行う。特に永久磁石材料や磁気抵抗素子では動作温度付近における材料特性の低下が問題となっているため、物質バルク領域や接合界面領域の磁気物性の温度依存性の起源を理論的に明らかにして、有限温度での性能劣化を克服できる手段を提案する。


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