NIMSのオリジナル技術である
液滴エピタキシー法による量子ドットなどの量子ナノ構造作製技術の高度化に取り組んでいます。これまでの研究により、量子ドットの高品質化を達成したほか、
量子リングなどのユニークな構造の自己形成にも成功し、その特異な物性を明らかにしてきました。最近では、光通信波長帯で発光するInAs量子ドット形成や、量子光源のLED化などにも取り組んでいます。量子ドットの形成技術の高度化には、結晶成長の際に表面で起こる原子スケールの現象解明が必要不可欠であり、STMやRHEEDを使った成長メカニズムの研究も並行して進めています。また、量子構造中の複雑な電子状態を計算することにより、その物性解明や新機能探索も行っています。このほか、Type-II型バンド配列を持つGaSb/GaAs系の液滴量子ドットの形成技術や、不純物原子や不純物原子ペアを使った量子ナノ構造の研究も行っています。