量子物質創製グループ

2020.05.15 更新

本研究グループは量子的性質が顕著な固相物質に着目して、所内外の共同研究者らと協調しながら新物質開拓、新機能性開発、高品質単結晶育成、精密結晶構造解析、先端物性評価などを推進し、我が国の産業界からの期待が特に大きい研究開発分野 (不揮発性メモリー、磁気センサー、微小エネルギー変換など) に新材料シーズを供給することを課題としています。合わせて、我が国の物質・材料研究を担う若手研究者をNIMS - 北海道大学連係大学院制度を利用して育成しています。

研究概略

非従来型絶縁体の新規開拓など

非従来型絶縁体とは、バンド理論では金属的と予見されるにもかかわらず、固体中の多様な相互作用の結果、実際には電気的絶縁体として機能する固体物質の総称です。その特徴は一部のセラミックスに顕著です。非従来型絶縁体を中核部材とする機能性デバイスの開発、これまでにない用途の開拓、新物質・材料の開発などが広範な研究階層 (デバイス基礎、ナノプロセッシング、物質・材料基礎、理論・計算科学など) や地域 (欧米、日本、中国、韓国など) で進展しています。我が国の情報通信やエレクトロニクス分野でのイノベーションの達成と、それらの社会実装による持続可能な社会の構築に貢献することが長期的目標です。


課題例

  • IrやOsなどを含有する5d電子系酸化物に着目して、固体中の大きく拡張した波動関数を特徴とする機能結合 (誘電性と伝導性、磁性とフォノン、格子歪みと磁性など) の強化、相転移の探索、それらのメカニズムの解明を行い、圧力や磁気センサーなどの開発に向けた材料の機能性を高めます。
  • CoやMnなどのマルチフェロイック酸化物に着目して、特性向上、発現機構の解明を行い、磁性や誘電性が強く結合するセンサー材料やメモリデバイス材料開発に向けた展望を開きます。
  • 窒化物やハロゲン化物、混合アニオン化物などに着目して、従来の酸化物に見られない非等価な配位環境を持つ遷移金属化合物の開拓を進め、物性探索を推進し、センサー材料やメモリデバイス開発につながる材料シーズを開発します。


北海道大学大学院総合化学院

超伝導材料化学研究室

本研究グループは北海道大学大学院総合化学院と連係しています。NIMSの優れた研究環境を利用して、大学院生の教育・育成に取り組んでいます。詳細はリンク先をご参照ください。


お問い合わせ先

量子物質創製グループ
〒305-0044 茨城県つくば市並木1-1
TEL: 029-860-4658
E-Mail: YAMAURA.Kazunari=nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)