塑性加工プロセスグループ

実験科学と計算科学を結合した研究手法により、加工プロセスによる組織制御を利用した材料強靭化の限界に挑戦します。具体的には、様々な加工プロセスを通じて強度700~1800MPa級の低合金鋼材および微細組織を有したマグネシウム合金などをバルク体として創製し、強靱特性と組織の関係を系統的に調査し、かつ強靭特性向上のメカニズム解明を目指します。本研究を通じて、加工プロセスによる組織制御を活用した構造用金属材料の強靭化の新たな方向性を提案し,社会の要請に迅速に対応できる材料研究を目指します。


専門分野・研究対象

形質制御による微細粒材の創製

材料の組織は、圧延や鍛造のような特定の加工プロセスに依存するのではなく、温度、ひずみ速度、ひずみなどのプロセスパラメータに依存します。よって、組織を制御するためには、加工によって導入された材料内部の不均一な情報 (ひずみ分布や温度分布など) を正確に把握することが必要です。そのために、数値解析を積極的に活用します。また、材料は形状があって始めて材料と呼ばれることを忘れてはいけません。我々は、形状と内質を同時に制御する形質制御のコンセプトに基づいて、様々な形状を有するバルク微細粒材の効率的プロセスを提案し、創製することを目指します。

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構造材料の強靭化

構造用金属材料は高強度によって脆化するため、強靭な材料を実現するためのアイデアが常に求められています。社会で利用される構造用金属材料の多くは、強度というよりはむしろ靭性で決定されています。よって、我々は靭性と組織の関係を詳細に検討します。特に、従来の均質・等方な材料の設計思想に捉われず、加工プロセスによって創製される材料の特徴を十分に把握することで、材料の強靭特性向上を目指します。

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材料構造化による特性発現機構の解明

既存の構造材料が持つ特性限界を打破する技術の一つとして,材料内で組織を傾斜的あるいは段階的に複層構造化させる方法がある.異種材料では物性値の相違によって残留応力や界面上での脆化層の出現などで界面剥離を引き起こす可能性が高く,信頼性の高い材料づくりは難しい点がある.一方,日本刀のような炭素量の異なる鋼の複層構造を参考に,炭素量が異なる2種類の素材 (0.05%Cと0.45%C) を準備し,界面構造を変化させたサンドイッチ鋼板を熱間鍛造で創成し,硬さ試験と引張試験,および数値シミュレーション (FEM) の応力解析を実通じて,界面構造の相違による機械的特性向上について検討を行っている.

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耐遅れ破壊に優れた高強度鋼の開発

 従来鋼よりも格段に優れた強靭性を示す超微細繊維状結晶粒組織を有するフェールセーフ鋼の社会実装を見据え,温間圧延加工で創製したフェールセーフ鋼の水素脆化特性を検討している.

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メゾレベルでの変形挙動を解明

開発鋼やサンドイッチ鋼板については,単なる特性向上指針だけでなく,局所的な変形挙動を解明し,さらには微視き裂の発生と伝播挙動を詳細に検討することが研究成果を社会実装材へ発展させるために必要である.DIC法を活用したメゾスケール領域でのその場観察システムの構築に着手し,マクロ~メゾレベルでの検討を通じて,設計に使える破壊のクライテリオン構築を目指している.

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