材料データベースグループ

倉庫から宝庫へ データベースから知識ベースへ

2022.05.10 更新

材料データベースグループは、ビッグデータ時代でも持続可能な材料データベースの作成と品質管理を目標に研究開発を進めてきました。様々なデータ・情報が世の中に溢れる中で、その収集における量と質の両立はマテリアルズ・インフォマティクスをより実用的なものにします。一方で、NIMSが保有しているデータベースだけではなく、様々な機関の様々なテーマのデータベースが、一つの学術体系上で連携することにより、大きな知識基盤ができ、人智が及ばない知の創出がなされます。材料データベースグループは、材料研究者が共有できる知識基盤の構築を目指します。

専門分野・研究対象

私たちが新しいことを見つけたいとき、既に知っている情報を並べてみて、知恵を働かせます。新しい材料を見つけるときも、それを作る方法を見つけるときも、まず世の中で既に知られている情報を出来るだけ集めることから始まります。データを集めることは簡単ではありません。多くの場合は、限られたテーマの狭い情報を集めるのが精一杯です。そこで別の取組と連携してデータを共有すれば、一人では成し得ない多くの情報を取得できます。ところが、そのビッグデータを人が考察することには限界がありますので、機械がある種のアルゴリズムに基づいて考える仕組みが必要です。このような収集→連携→考察をひとまとめにしたデータベースの先端的活用方法を研究します。





(1) 持続可能な材料データ収集・データベースの作成

データベースの作成を、人と人工知能の共同作業で加速します。人による質と機械による作業効率を両立させて、持続可能なデータベース作成を目指します。学術論文・特許等の公知情報からのデータ収集を進め、材料の研究開発でコアになるデータベースを作ります。


(2) データベースの連携

材料はただ高性能であれば良いわけではなく、コスト・安全・環境など様々な要素のバランスが取れて、初めて製品となり実用化されます。こうした様々な要素を一括して扱える仕組みがlinked dataと呼ばれるものです。国際基準による機械が読める共通書式の下で、データベースを連携させます。


(3) 思考と推論による材料開発

思考と推論は、(1)(2)で出来たビッグデータの価値を引き出す鍵です。演繹、帰納、類推、仮説推論といった問題解決法に基づいて、材料科学における未踏領域を目指します。特に、結論がいつも正しいとは限らない類推や仮説推論であっても、ビッグデータを使うことで確度の高い答えを導けることを使った、材料の新しい開発手法を目指します。


(4) 学理の機械可読な編纂と知識基盤の構築

学理は、より深い思考を可能にします。長い歴史の中で積み上げられてきた人智を、機械可読な形式で編纂することを試みます。オントロジーと呼ばれる概念を明文化する方法によって、すぐには分からない深層にある真理を表層に導き、材料開発に利用することを目指します。


データを発掘し、結び付け、利用し、深める。データの利活用に必要な技術を、材料開発に特化して実装してゆくこと。これが、材料データベースグループのミッションです。


参考文献
  1. Hiroyuki Oka, Atsushi Yoshizawa, Hiroyuki Shindo, Yuji Matsumoto, Masashi Ishii, "Machine extraction of polymer data from tables using XML versions of scientific articles", SCIENCE AND TECHNOLOGY OF ADVANCED MATERIALS: METHODS, VOL. 1, 12-23, 2021.
  2. Sae Dieb, Kou Amano, Kosuke Tanabe, Daitetsu Sato, Masashi Ishii and Mikiko Tanifuji, “Creating Research Topic Map for NIMS SAMURAI Database Using Natural Language Processing Approach” SCIENCE AND TECHNOLOGY OF ADVANCED MATERIALS: METHODS, VOL. 1, 2-11, 2021.


グループメンバー

お問い合わせ先

材料データベースグループ
〒305-0044 茨城県つくば市並木1-1
電話:029-860-4576
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