実働環境計測技術開発グループ

2022.05.11 更新

実働環境計測技術開発グループでは、「実働環境計測技術」をターゲットとし、より高いレベルのその場観察を実現することで、NIMSの材料研究者を始めとした材料研究全般に貢献していく事を目的としています。

試料に外部から与えられた刺激に対し、試料がどのように反応するかを動的に観察する「その場観察技術」は、材料の研究に大変有効です。特に最近では機能を持った材料やデバイスが、実際にその機能を発現し動作している状況を観察する、“実働環境計測”または“オペランド計測”が世界的に盛んにおこなわれています。しかしながら、電子顕微鏡での実働環境計測では、電子顕微鏡観察を行う事からくる様々な制約があり、観察目的ごとに様々な工夫を行う必要があります。

そこで本研究グループでは、様々なデバイスや機能材料に合わせ、そのデバイスや材料が実際に機能する環境を電子顕微鏡の試料室に再現するための道具立ての開発と応用を行っています。さらに実働環境計測に用いるための電顕手法の高度化、および新たな電顕手法の開発にも取り組んでいます。

専門分野・研究対象

  • その場観察手法開発
  • 電子顕微鏡法
  • 各種位相回復法


【研究例】

図1.複合環境型試料ホルダーシステムと装置外観


図2.(a)グラフェン上のCuおよびPt原子の化学反応の原子レベル動的観察
  (b)複合環境型ホルダーによる異方性エッチングのその場観察



図3. 4DSTEMによる高分解能計測技術の開発と材料応用


図4. 4DSTEMによるGaN中のピラミッド型欠陥のポラリティ計測


図5. ステージスキャンによる格子定数変化マッピング
   Jpn.J.Appl.Phys.58, SIIA03(2019)