クリープ特性グループ

2024.02.05 更新

研究概略

 当グループでは、耐熱材料のクリープ強度特性評価、クリープに伴う材質劣化や損傷機構解明を通じて、クリープ強度評価法、寿命・余寿命評価法、新規材料設計指針の提案を行いきます。また、NIMSクリープデータシート事業で取得された長時間クリープデータの意義について、学術的な裏付けを行い、長時間クリープデータに基づく研究成果を発電プラント等の規格・基準へ反映するための活動を行います。
 火力発電プラントは、再生可能エネルギー導入促進に伴い、負荷変動運転となっており、使用される部材には高温・変動応力下における信頼性が求められています。そこで、火力発電プラントで多用される耐熱材料を中心に、変動応力下クリープ強度特性評価を実施していきます。一方、原子力発電分野では、国内外において積層造形材の適用にむけた研究や規格化に関する活動が活発に行われています。しかし、積層造形により作製された耐熱材料の長時間クリープ強度特性データは極めて少ないため、主要な耐熱材料の積層造形材を中心に長時間クリープ強度特性評価を実施していきます。


専門分野・研究対象

①高Cr鋼の変動応力下クリープ強度評価と材質劣化評価
 定応力と比較して、変動応力がクリープ強度や材質劣化機構に及ぼす影響を検討します。
②積層造形による高Cr鋼、Ni基合金の長時間クリープ強度特性評価と材質劣化評価
 適切な組織を得る造形条件を確立するとともに、造形材の長時間クリープ強度特性評価法を検討します。
 さらに造形条件を変化させ、クリープ強度特性改善の方策を検討します。
③10万時間を超える長時間域における材質劣化因子の検討
 経年プラントで使用される炭素鋼などについて、NIMSクリープデータシート事業で取得した長時間クリープ破断試験片
 を用いて、10万時間を超える時間域で顕在化する材質劣化因子の検討を行います。
④オーステナイト系耐熱鋼の長時間クリープ強度評価法と材質改善
 長時間クリープ強度低下の有無と強度低下原因の検討を通じて、長時間クリープ強度評価法とクリープ寿命改善法の提案
 を目指します。


お問い合わせ先

クリープ特性グループ
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
E-Mail: SAWADA.Kota=nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)