グループ研究概要
一旦き裂が成長し始めると瞬時に破壊が進むセラミックスに対し、セラミックス基複合材料(CMCs)は不均一な複合構造によって材料内部にミクロな破壊を累積し予期せぬ瞬時破壊を回避できる材料です。セラミックスの耐熱性と軽量性を保ったまま力学的な信頼性を担保できる構造材料としてジェットエンジンの高温部や原子力材料を念頭に30年以上にわたり研究が進められてきました。
近年、高温強度に優れるSiC繊維強化SiC複合材料 (SiC/SiC) や低コストで耐環境性(水蒸気腐食、酸化)に優れる酸化物系CMCs (Ox/Ox) が民間用ジェットエンジンで実機適用され始めています。世界の民間航空機のCO2排出量は日本の総CO2排出量の2/3に相当し、燃費向上が喫緊の課題となっています。CMCsはエンジンの軽量化、高効率化の切り札として大きな期待がかけられています。
当グループではCMCs開発に有用なプロセス技術や1500℃の高温下でのミクロ観察・ひずみ測定技術、CMCsの実用化や使用範囲拡大を後押しする信頼性評価技術の開発などを行っています。
研究内容
主な研究テーマ
(1) 易焼結性SiCナノ粉末プロセスの開発
(2) グリーンシート、プリプレグシートを用いた新規SiC/SiCプロセスの開発
(3) CMCs用耐環境性(EBCs)の密着性評価技術の開発とその応用
(4) 1400℃超での高温顕微観察・ひずみ分布ケ測定技術の開発とその応用