2011年度 (平成23年度) 第1回 GREEN拠点賞決定

2012.07.12 更新

ナノ材料科学環境拠点 (以下GREEN) は今年度より、若手研究者奨励を目的に、ナノ材料科学環境拠点賞 (GREEN拠点賞) を設けました。

ナノ材料科学環境拠点 (GREEN) 拠点賞

当該年度のGREENの研究活動において、革新的あるいは挑戦的な研究を提案した又は実施していると認められ、GREENの模範となるべき若手研究者にGREEN拠点賞先進賞を、特に顕著な先進性が認められる若手研究者にはGREEN拠点賞最優秀先進賞を授与してまいります。今回は、2011年度が対象となります。 
 

本趣旨に沿って候補者をノミネートし、GREEN拠点賞委員会による厳正な最終選考を行った結果、最優秀先進賞に増田 卓也氏 (ナノ構造制御電極触媒グループ、NIMS特別研究員) が、先進賞には田中 喜典氏 (グリーン計算科学グループ、NIMSポスドク研究員) 、伊藤 未希雄氏 (ナノ界面レーザー計測グループ、NIMSポスドク研究員) の3名に授賞者が決定、また特別賞 (プログラムディレクター賞) が、池田 勝佳氏 (GREEN参画機関、北海道大学大学院准教授) に授与されました。  



授与式は、第4回 ナノ材料科学環境拠点シンポジウム (6月26日) において行われ、最優秀先進賞ならびに先進賞は潮田 資勝拠点長 (NIMS理事長) より、特別賞は橋本 和仁GREENプログラムディレクター (東京大学大学院教授) より、賞状とトロフィーが授与されました。


(左から) 伊藤未希雄氏、増田卓也氏、田中喜典氏


橋本和仁プログラムディレクターよりトロフィーを授与される池田勝佳氏




最優秀先進賞


増田 卓也氏
(ナノ構造制御電極触媒グループ、NIMS特別研究員)

放射光等を用いた固液界面エネルギー変換過程のその場観察
In-situ observation of energy conversion processes at solid/liquid interface using SOR and other techniques

 

  • 候補者が主導し、GREENにおける固液界面の放射光等によるその場観察を、他の各種電池などのGREENメンバーなどと合同で精力的に進めていると認める。また、オープンラボ研究者支援にも積極的に対応していることは高く評価される。
  • 固液界面現象を観察する新しい手法の開発は、GREENの趣旨によく合致しており、さらに前進が期待される研究である。 


先進賞


田中 喜典氏
(グリーン計算科学グループ、NIMSポスドク研究員)

Li二次電池固体電解質中のイオン拡散に関する実験連携による第一原理計算
First-principles calculation collaborated with experiments concerning ion diffusion in the solid electrolyte of the lithium secondary battery
 

  • 候補者が主導し、GREENが目指す「計算-計測-創製の連携」のバランスのとれた成功例として評価する。さらに成果が積みあがることを期待する。
  • 困難な課題に挑戦していることを高く評価する。
  • 同時に、研究成果の新規性をアピールしつつ、論文発表までできるだけ速やかにもっていくことを期待する。


先進賞


伊藤 未希雄氏
(ナノ界面レーザー計測グループ、NIMSポスドク研究員)

振動分光を用いた燃料電池などの固/液界面反応のその場解析
In-situ analysis of solid/liquid interfacial reaction in fuel cell etc. using vibrational spectroscopy

 

  • 振動分光を用いた固液界面その場解析法を用いて、GREENの様々な研究者やオープンラボ研究者支援に積極的に対応し、着実に成果をあげていることを高く評価したい。
  • 支援内容は、GREENの趣旨によく合致しており、さらに前進が期待される。


橋本 和仁プログラムディレクター賞 (特別賞)


池田 勝佳氏
(GREEN参画機関、北海道大学大学院 准教授)

固液界面エネルギー変換過程のその場解析を目指した新規分光測定法の開発
Development of novel spectroscopic method for in-situ characterization of energy conversion processes at solid/liquid interface

 

  • 候補者が主導し、新規の表面増強ラマン振動分光法の開発を成功的に進めているのは明白であり、その研究は高く評価される。
  • 固液界面解析という面でGREEN研究の趣旨に大いに合致し、期待も大きい。しかし、対象がモデル系に留まっており、汎用性を実証するにはもう一歩の努力が期待される。計算研究者等との連携を含めて、もう一段の進展を強く期待する。