都市鉱山
地上に蓄積された工業製品を都市に眠る鉱山資源とみなすリサイクル概念
都市鉱山とは、1988年に東北大選鉱製錬研究所の南條道夫教授らによって提唱されたリサイクル概念で、地上に蓄積された工業製品を資源とみなして「都市鉱山」と名付け、資源をそこから積極的に取り出すこと試みる概念です。
都市鉱山 (urban mining) の特徴と具体例
特徴
- 確定埋蔵量が明確であり、探索の必要がない。
- 加工を経て集約的に使用されたものであるため、一般に天然鉱石より高品位である。
- 採鉱・製錬という視点で、省資源・省エネルギーの可能性が大きい。
- 景観の改善や拡散による環境汚染を回避できる。
都市鉱山の具体例
電子機器内の基板(都市鉱山に対して「都市鉱石」と呼びます)には様々な部品が存在し、各部品の中には、レアメタルやレアアースを含む希少・有価な金属を含有するものもあります。一例として、携帯電話に含まれる都市鉱山を示します。
携帯電話の基板や外装に使用されている資源
現代社会における都市鉱山の重要性
- 既に利用されている資源量が、地下資源量を上回る時代
- 資源の偏在と消費の偏在の一致
- ショート・サイクル循環の可能性
- 過去の国内蓄積を資源として活用