資源偏在リスク
資源の偏在と消費の偏在が生む問題
近年、生産・消費シェアが地球規模に拡大しようとする中で、レアメタル(レアアース)などの物質資源も、急速な消費の拡大と分配の問題が危惧されており、このような偏在は、経済上の大きなリスクとなっています。
埋蔵資源の偏在
資源の偏在とは、(地政学的な)産出面から見た偏在で、希少資源の多くが全埋蔵量の半分以上を上位三カ国で占められており、特にレアアースについては、その供給量の90%以上が中国だと言われています。
一カ国の生産シェアが75%以上の資源
レアアース(RE)、トリウム(Th)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、ロジウム(Rh)、白金(Pt)三カ国の生産シェアが80%以上の資源
パラジウム(Pd)、テルル(Te)、バナジウム(V)、タンタル(Ta)、ベリリウム(Be)、ジルコニウム(Zr)、タリウム(Tl)、ビスマス(Bi)資源消費の偏在
埋蔵資源に偏在が見られる一方で、資源の消費にも偏在が見られます。主に先進国や大国での消費傾向が高く、工業製品への加工などで大量に使用されているものと思われます。

日本の状況
日本には、天然レアメタル資源がほとんどありません。しかし、その世界消費量の約半分を占めていると言われ、その大半がハイテク分野での利用だそうです。 これは、日本がハイテクを駆使した技術立国という証拠でもありますが、加工製品の輸出が経済を担う日本にとって、資源調達は生命線とも言えます。