産業革命は蒸気機関の発明から始まったとされています。外燃機関である蒸気機関、そして、自動車のエンジンに代表される内燃機関の時代を経て、自動車をはじめとする多くの装置がモーターで駆動される時代に入り、エネルギー需要に占める電力の割合がいよいよ高くなろうとしています。そうした中、効率よく電力を供給し、効率よく電力を利用するためには、エネルギー散逸、すなわち、動作中の発熱が小さい電子部品、電子材料の開発が望まれます。一方、自動車をはじめ、様々な機器がネットワークと接続され、また、自動化されつつあります。そうした中、安全を担保する技術が必須となります。そうした中、センシング技術の高度化は必須であり、距離を測る、圧力を測る、ガスを捉える、などの様々なセンサーが必要となってきます。
そうした背景から、様々な電子材料に止まらず、化学反応系などの外場と電子回路を接続するための仕組みの獲得など、複合的な状況に対応した材料開発が求められることになります。そこで、半導体、誘電体、圧電体などのエネルギー変換材料にくわえ、イオン輸送などの化学的知見も加えた総合的な研究開発の推進が求められる。本センターでは、そうした社会ニーズに応え、新たな電子機能材料を創出することを目的とする。