NIMS Library x Materials Informatics(MI2I)共催オープンセミナー No.2

テーマ「 (続) オープンサイエンスと著作権 / Open science and copyrights law」

開催日: 2016.03.10 終了


前回セミナー「オープンサイエンスと論文著作権」(2016.1.8)での反響を受けて、研究の現場に更に近づく情報共有を目的として「データ共有」といった切り口で、続きのセミナーを開催いたします。

論文には著作物としての著作権が付随しますが、データには著作権がありません。世界に追随して日本でも議論が始まったオープンサイエンス政策では、論文として発表したデータや、論文として発表しない他の研究データ全般について、研究の発展や新たな産業促進のために、適切な管理のもと、利用可能な状態で公表する (オープンアクセスにする) ことが提案されています。

では、著作権を伴わないデータを共有するとはどういうことを意味するのでしょうか? 出版論文からデータ部分を機械的に収集して、研究に資する目的でデータ集やデータベースとして公表する場合、どのような権利を理解しておくべきなのでしょうか? - 再びに著作権の専門家に加わっていただくブレイクセッションを企画しています。

皆様、お誘い合わせの上、ご参加ください。なお予めにご質問を受けますので、参加登録の際にお知らせ下さい。

講演1 : データ共有の実際 - データキュレーターの立場から

講演概要&講演者ご紹介

  • Dr. Varsha Khodiyar/Data Curation Editor, Scientific Data
データのクオリティを確証する専門エディター役割) Scientific Dataに掲載されるデータ論文に付随するISA-tabメタデータファイルの生成を担当し、データ論文とデータセットの統合を図る。ジャーナルの各編集委員、特定科学分野での専門家との協力のもと、各データ論文が該当分野の研究コミュニティで求められる最重要なデータがきちんと抽出されていることを確証する役割を担う。経歴) 英国レスター大学で博士号を受けた後、キュレーションの仕事に従事。ロンドン大学にてHuman Genome Nomenclature Committee (ヒトゲノム命名法委員会)に勤務。8年間遺伝学オントロジー注釈者として活躍。2014年から現職。
Speaker Dr. Varsha Khodiyar/Data Curation Editor, Scientific Data
Varsha is responsible for creating the ISA-tab metadata files associated with articles published by Scientific Data, which facilitate the integration of articles and underlying datasets. In collaboration with the Editorial Board and relevant members of the scientific community, Varsha works to ensure that the most appropriate metadata is being captured for the published data from each community. Varsha began her career in curation after receiving her PhD from the University of Leicester. Based at University College London, she initially worked for the Human Gene Nomenclature Committee, which was followed by an 8 year stint as a Gene Ontology annotator. She has worked in data publishing for the last 3 years.



講演2 : データ収集から集積、共有まで - 高分子データの場合

講演概要&講演者ご紹介

  • 桑島 功氏/NIMS材料情報ステーションデータベースグループエンジニア



講演3 : オープンサイエンスに向けたデータ共有 - 著作権の側面から

講演概要&講演者ご紹介

  • 末吉 亙氏/潮見坂綜合法律事務所
略  歴 : 1956年10月11日生まれ、1981年3月東京大学法学部卒業、1983年4月弁護士登録。2014年7月~文部科学省文化審議会著作権分科会委員。



講演4 : ブレイクセッション/ Break Session

*NIMS Open Library Seminar「(続) オープンサイエンスと著作権 / Data Sharing - pros and cons」への事前質問:

Q1. 研究データの著作権理解日本の著作権法では、データには著作権がないとされています。研究データの提供 (公開) に際して、著作者・データ作成者として理解しておくべき権利は何でしょうか? 例えば

  • 作者または作者の所属機関によるデータライセンス提供の観点
  • 作者のプライバシー保護の観点

などで。


Q2. 研究データに関する著作権理解日本の著作権法では、データには著作権がないとされていますが、そこに新たな創作性が加わると、成果全体に対して (例えば物性データベースなど) 著作権が生じると考えてよいでしょうか? YESの場合、

  • その「創作性」の範疇に、論文を読み収集したデータ群に対して情報を整理分類し、indexを付加する、検索ができるようにすることが含まれると理解して良いか?
  • データベース化する時、データの出典を引用するべきか?
  • データベース化する時、データの出典となる論文著者に、収集の許諾 (二次利用) をとるべきか? (CC-BYライセンスで提供された論文の場合は、クレジットを入れれば許諾なしに使ってよいという理解を前提として)

Q3. 引用について

(前回セミナーで、論文引用について現実には著作者に連絡することなく、むしろ引用が論文評価にもなる科学の特殊性においては許諾なく引用する点を学びましたが) データの引用についてはどうでしょうか?


Q4. 知的財産権

知的財産権 (intellectual property rights)という観点で、データ著作権について、知的財産と論文著作権 (財産権) という対比でどう理解すればよいでしょうか?


セミナー資料

pdf:964KB

イベント・セミナーデータ

イベント・セミナー名
NIMS Library x Materials Informatics(MI2I)共催オープンセミナー No.2
テーマ「 (続) オープンサイエンスと著作権 / Open science and copyrights law」
会場
NIMS 千現第一会議室
開催日: 時間
2016.03.10
15:00-17:00
参加料
参加費不要、事前登録必須
言語
講演1は英語、他は日本語 (The first lecture is in English)
開催プログラム
司 会 : 谷藤幹子 科学情報室室長
式次第 :
  • 15:00 開会の挨拶 藤田 高弘理事
  • 15:05-15:25 講演1
  • 15:30-15:50 講演2
  • 16:00-16:30 講演3
  • 16:30-17:00 ブレイクセッション
  • 17:00 閉会の挨拶 伊藤 聡MI2Iプログラムマネジャー

お問い合わせ・申し込み

主催:企画部門科学情報室、イノベハブ(MI^2I) 物質・材料研究機構 科学情報室に、ご連絡下さい。 E-Mail: kagaku=ml.nims.go.jp([ = ] を [ @ ] にしてください)
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