本セミナーは、3月13日に日本学術会議で行われる公開シンポジウム (同テーマ) をより具体的に、研究を取り巻く環境 (図書館事情も含む) から見た内容に編成して行うものです。研究成果として論文を出版し、新しい知見や学識を世に残し、人類の知識として共有するという学問の有り様は、21世紀に入って急速にその姿を変えつつあります。その一例として、公的研究資金の使い方の中に、論文をオープンアクセス出版することを求め、また、その成果として論文情報が産学官で自在に活用することができ、社会に還元しようとする国策が、例えばHorizon2020に代表されるように欧米で活発に議論されています。
研究が学際化し、人と情報がグローバルなスケールで自在に動く今、日本にも欧米の政策の影響が現れ始めています。論文出版を、研究費を使ってオープンアクセス出版 (無料で閲覧出来るように) することにとどまらず、誰でも論文著作権を履行できるようにする利活用の仕組み (クリエイティブ・コモンズ) も日本に漂着しています。オープンアクセス化するとは具体的に何を意味するのか?、選択肢としてのOAなのか、欧米のような義務としてのOAなのか?OA義務化への制度や評価、効果・検証等、様々な面での議論が研究現場においても必要との認識に立ち、最近事情を知り日々の研究に資することを目的とするセミナ - です。