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コロイド結晶の高分子ゲルによる固定化

 コロイド結晶はそのままでは流体です。せっかく配向させても、容器から取り出そうとすると配向状態は壊れてしまいます。自立する材料とするためには、何らかの手段で固めなければなりません。 コロイド結晶の固定化のための常套手段として、媒質中に重合可能な分子をあらかじめ溶解させておき、重合ゲル化する方法があります。これは、粒子の周りの媒質中に粒子サイズよりも小さな高分子の網目構造をつくり、粒子が動けないようにする方法です。

  

 まず、良好な単一ドメイン結晶をつくること、そして、それを壊さないようにそのままゲル固定化 すること、の2点が達成されなければなりませんが、これまで未達成の課題として残されていました。我々は、この2点をクリアーすることができました。さらに、ゲル固定化して得られたコロイド結晶ゲル膜は、適当な溶媒に置換するならば、良好な光学特性(特に透過特性)を保ったまま、等方的に収縮することがわかりました。つまり、ひとつのコロイド結晶ゲルから、様々な格子定数の素子を作ることができるわけです。


関連原著論文: Gelation of Colloidal Crystals without Degradation in Their Transmission Quality and Chemical Tuning, Langmuir21, 10268-10270, 2005.
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