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発泡チタンの医療応用研究に着手

人工関節や人工歯根の表面処理法を開発

独立行政法人物質・材料研究機構

NIMS生体材料研究センターおよび三菱マテリアル株式会社 加工事業カンパニー非鉄材料技術研究所は、発泡チタンの医療分野への応用を目指した共同研究を開始し、セメントレス施術後の金属製医療デバイスの生体内への定着性改善に有効な表面処理法を共同で開発した。

概要

  1. 独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸輝 雄) 生体材料研究センター (センター長 : 田中 順三) および三菱マテリアル株式会社 (取締役社長 : 井手 明彦) 加工事業カンパニー非鉄材料技術研究所 (所長 : 加藤 公明) は、発泡チタンの医療分野への応用を目指した共同研究を開始し、セメントレス施術後の金属製医療デバイスの生体内への定着性改善に有効な表面処理法を共同で開発した。
  2. 人工関節や人工歯根などの硬組織代替医療デバイスでは、生体内定着性の観点から、しばしば生体組織との結合性が問題にされる。例えば人工関節の場合、通常は骨セメントを用いて固定されるが、骨セメント重合時の発熱やショックにより生体組織に障害が生じるケースがあり、骨セメントを用いない (セメントレス) 固定法が使用されるようになった。これは、生体組織との結合性を向上させるため、人工関節等の医療デバイス表面に多孔質層を形成し、その孔内に侵入した骨組織との機械的咬合力によって固定する方法である。そして、より良好な結合性を得るため、多孔質層の材質、厚さ及び孔構造 (孔径、気孔率、形状) 等の最適化が求められていた。
  3. 今回開発した表面処理法は、チタン製あるいはステンレス鋼製の発泡金属を人工関節等の医療デバイス表面に接合するものである。ここで、表面処理に用いた発泡金属は、高気孔率(最大 約90%)かつ小孔径 (数十~数百μm) の三次元網目構造を有する薄板形状の金属多孔体である。本開発では、発泡金属からなる多孔質層の構造について検討し、骨組織と医療デバイス表面との結合性改善を目指した。
  4. 培養細胞を用いた評価において、本表面処理を施すことによりデバイス表面における細胞増殖速度が向上し、同時に発泡金属内部で骨化の初期段階である石灰化が生じる事を確認した。さらに、多孔質層の構造改良によって細胞侵入性が大きく改善される可能性も見出した。
    本処理は、医療デバイスと生体組織との結合性改善に有効であり、整形外科や口腔外科分野を中心に広範な応用が期待される。今後、前臨床試験等を通じて、用途に応じた多孔質層構造の最適化を図る。
  5. 本研究成果については、3月21~23日に開催される日本金属学会2006年春期講演大会にて発表予定であり、関連特許も出願済みである。

「プレス試料中の図 : 発泡金属による医療デバイスの表面処理例および発泡金属構造拡大図」の画像

プレス試料中の図 : 発泡金属による医療デバイスの表面処理例および発泡金属構造拡大図




お問い合わせ先

研究内容に関すること
独立行政法人物質・材料研究機構
生体材料研究センター 機能再建材料グループ
主任研究員
山本 玲子 (やまもと あきこ)

TEL: 029-860-4169
E-Mail: YAMAMOTO.Akiko=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
報道担当
独立行政法人物質・材料研究機構 
広報室

〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL: 029-859-2026
三菱マテリアル株式会社
広報・IR室
〒100-8117 東京都千代田区大手町1-5-1
大手町ファーストスクエア・ウエスト
TEL: 03-5252-5206

加工事業カンパニー 高性能材料事業部
TEL: 03-5252-5205

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