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高強度・高導電率銅合金の開発

低濃度のAg添加で世界一の強度・導電率バランスを実現

独立行政法人物質・材料研究機構

NIMSの超鉄鋼研究センター 金相グループは、世界一の強度と導電率バランスを持つ銅合金の開発に成功した。

概要

  1. 独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸 輝雄) 、超鉄鋼研究センター (センター長 : 長井 寿) 、金相グループの坂井 義和 主幹研究員、堀 洋子 技術補助員は、世界一の強度と導電率バランスを持つ銅合金の開発に成功した。
  2. 銅や銅合金は電気を通す機器の素材として様々な目的に使用されており、機器の軽量、小型、薄型化が望まれている現状では今までより高強度・高導電率の銅合金の開発が待ち望まれていたが、銅合金の強度と導電率は反比例しており、強度を上げると導電率が下がり、導電率を上げると強度が下がるというジレンマを抱えていた。
  3. 今回開発した手法は従来の十分の一という少量のAg (銀) を含有し、残部がCu (銅)からなる合金組成の鋳塊を溶製し、溶体化処理後水焼入れを行い、表面を研削したあとに冷間加工を行い、その途中で熱処理を施し、さらに冷間加工するという手順であり、通常の強度を意図した手法では常識外である熱処理を加えることが特徴の一つである。
  4. 作製した合金は3つの大きな特徴を持つ。まず1つめに「銅合金中、最も優れた強度・導電率バランスを有する」ことが挙げられる。これは、強度では高強度銅合金の代表であるCu - Be合金に匹敵し、導電率は3.5倍という驚異的な特性を持つということであり、機器の小型、軽量、薄型化に寄与し、電気エネルギーの消費や熱の発生を抑制することにもつながる。2つめの特徴は「単純な合金系であり、添加元素を抑えていること」である。これは、大量生産、リサイクル等トータルな観点からコストパフォーマンスで優れていると言える。3つめの特徴は「優れた加工性」、中間焼鈍処理無しで超強加工域まで容易に加工できるため、多様なサイズや形状の部品の製造が可能になる。
  5. 本手法により作製した合金は、電線・ケーブル、ロボット駆動用ケーブル、整流子片、モーターコイル、マグネットコイル、リードワイヤー、リードフレーム、導電性バネ材 (リレー、コネクター) 、超電導線の補強材料など高強度で且つ高導電性を必要とする多種多様な製品の導体材料として有望であるとともに、それらの電気、電子機器、機械の軽量、小型、薄型化を可能にするうえ、低コスト化を実現するなど、製品の付加価値を高められるものと期待される。

「図2 Cu-24wt%Ag合金の強度と導電率の関係」の画像

図2 Cu-24wt%Ag合金の強度と導電率の関係





お問い合わせ先

研究内容に関すること
独立行政法人物質・材料研究機構
超鉄鋼研究センター 金相グループ
主幹研究員
坂井 義和 (さかい よしかず)
TEL:029-859-2158
E-Mail: SAKAI.Yoshikazu=nims.go.jp
([ = ] を [ @ ] にしてください)
報道担当
独立行政法人物質・材料研究機構 
広報室
〒305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1
TEL:029-859-2026
FAX:029-859-2017
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