究極のナノ集積技術「多種類のナノ分子を1ステップで規則配列」

半導体からバイオまで

2005.03.24


独立行政法人物質・材料研究機構

NIMSの若手国際研究拠点 (ICYS) 、材料研究所 微粒子プロセス研究グループ、東京大学大学院理学系研究科、独立行政法人産業技術総合研究所らは、多種類の機能性分子を各々同一基板上の所定の微小領域において、自己組織化により配列させることができるナノ集積技術の開発に成功した。

概要

  1. 独立行政法人物質・材料研究機構 (理事長 : 岸 輝雄) が文部科学省の科学技術振興調整費「戦略的研究拠点育成」において運営している若手国際研究拠点 (センター長 : 板東 義雄) の白幡 直人 研究員、材料研究所 (所長 : 野田 哲二) 微粒子プロセス研究グループの目 義雄 ディレクター、東京大学大学院理学系研究科の米澤 徹 助教授、独立行政法人産業技術総合研究所 (理事長 : 吉川 弘之) 先進製造プロセス研究部門 (部門長 : 神崎 修三) の穂積 篤主 任研究員らは、多種類の機能性分子を各々同一基板上の所定の微小領域において、自己組織化により配列させることができるナノ集積技術の開発に成功した。
  2. このたび開発したナノ集積技術は、従来の集積技術がフォトリソグラフィーを始めとする人工的多段階リソグラフィー工程から成り立っているのに対し、あらかじめ素子形成が必要な基板上所定の複数の微小領域に、必要な分量のみ分子を各々塗布しておくだけでそれらの分子が室温という極めてマイルドな環境下で基板との界面に自然に強靱な結合を形成すると同時に、あたかも意志を有しているかのように自己組織化により規則配列 (=素子形成) するというものである。
  3. 本技術は限界に達しつつある現在のフォトリソグラフィー技術に代わる“非リソグラフィーシステム”技術として、生体分子などに見受けられる希少価値の高い材料、高温プロセスに適さない材料、光や電子線に対して耐性のない材料 (DNA等) への適用も可能な、廃液を産出しない環境に調和した半導体からバイオまでの極めて広範囲な分野で適用できる技術と考えられる。
  4. 本成果は特許出願済みであり、3月26日から横浜市の神奈川大学で開催される日本化学会第85春季年会で発表予定である。

「多種類のナノ分子の一斉配列手法」の画像

多種類のナノ分子の一斉配列手法



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