世界最高磁場のNMRでタンパク質の超高感度計測が実現

物質・材料研究機構がタンパク3000プロジェクトで協力

2003.07.18


理化学研究所
独立行政法人 物質・材料研究機構

理化学研究所はNIMSとの共同研究で、日本電子 (株) の協力を得て、NIMSの所有する世界最高感度と分解能を持つ920MHz NMR装置をタンパク質の構造解析に適用する準備を進め、この度この装置に3重共鳴設備を整備し、800MHz NMRに比べ30~40%多い数のNOESYシグナルを得る事に成功した。

概要

わが国は現在、3000種類の主要なタンパク質の構造・機能解析を実施する「タンパク3000プロジェクト」を進めており、この一環として、理化学研究所 (小林 俊一 理事長) では内2500種類を対象に、横浜研究所において、NMR 装置を用いて解析に鋭意取り組んできました。
理化学研究所では、物質・材料研究機構 (岸 輝雄 理事長) との共同研究により、日本電子 (株) の協力を得て、同機構の所有する世界最高の感度と分解能を持つ920MHz NMR 装置をタンパク質の構造解析に適用する準備を進め、このたびこの装置に3重共鳴設備を整備し、800MHz NMRに比べて30%から40%多い数の
NOESYシグナル(立体構造を決定する上で必須な情報)を得る事に成功しました。
今後はこの装置により解析できるタンパク質基本構造 (ドメイン) の範囲が飛躍的に大きく広がることが期待され、プロジェクトの一層の進展が望まれるところです。

お問い合わせ先

研究内容に関すること

理化学研究所
横浜研究所 ゲノム科学総合研究センター
タンパク質構造・機能研究グループ プロジェクトディレクター
横山 茂之 (よこやま しげゆき)
チームリーダー
前田 秀明 (まえだ ひであき)
TEL:045-508-7211
FAX:045-508-7360
横浜研究所 研究推進部
高橋 正海 (たかはし まさみ)
TEL:045-503-9117
FAX:045-503-9113
独立行政法人物質・材料研究機構
強磁場研究センター センター長
和田 仁 (わだ ひとし)
TEL:029-863-5411
FAX:029-863-5441

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