インド大学間共同利用加速器センターとMOUを調印

2010.10.08
(2010.10.22 更新)


平成22年10月8日、インドのニューデリーにおいて、量子ビームセンターは、インド大学間共同利用加速器センター (Inter University Accelerator Centre, India) と『イオンビームによるナノ材料の創製・特性制御』に関する共同研究についてMOU (覚書) を調印しました。

「左から、Devesh Kumar Avasthi 材料照射部門長、Amit Roy 所長、雨倉 宏 量子ビームセンター主幹研究員 (New Delhiにて調印)」の画像

左から、Devesh Kumar Avasthi 材料照射部門長、Amit Roy 所長、雨倉 宏 量子ビームセンター主幹研究員 (New Delhiにて調印)



同加速器センターを訪れると、高さ50メートルの巨大な塔が印象的ですが、この塔自体が巨大なタンデム型加速器で、1億電子ボルト (100MeV) 級の高速重イオンビームを発生させます。このような高いエネルギーのイオンは固体構成原子とはあまり衝突せず、代わりにイオンが通過したナノメートル径の円筒領域に強力な電子励起を引き起こします。

本共同研究では、ガラス中に分散されたナノ粒子をはじめとしたナノ材料を対象に高速重イオンを照射し、高密度励起効果により誘起されるナノ構造の形状変化・特性変化に注目します。IUACの100MeV級重イオン加速器とNIMSの高度なナノ構造評価技術が両輪となって、“高エネルギーナノ材料科学”とでも呼ばれるような新しい学際領域が開拓されていくことが期待されます。