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迫田和彰 センター長 |
SiやGaAsなどの半導体は現代のエレクトロニクス社会を支える基幹材料です。高度に精緻化された結晶成長やリソグラフィー技術を駆使して高性能なLSIが製造され,コンピューターなどの電子機器の心臓部として使われています。半導体の大きさをどんどん小さくして電子の波動関数の広がりの大きさと同じくらいにすると,半導体の特性が大きく変化します。直径が数十nmの半導体の粒は量子ドットと呼ばれ,電子の波動関数が小さな体積に閉じ込められる結果,まるで1つの大きな原子のように振舞います。
量子ドットセンターではこのような半導体ナノ構造を中心に研究を推進し,NIMSが培ってきたナノ構造の創製技術を高度化および融合することにより,ナノテクノロジー基盤技術のさらなる発展を目指しています。また,顕微レーザー分光法や強磁場物性測定などのナノ構造の評価技術や理論研究の発展にも力を注いでいます。関連分野である有機細線,プラズモニクス,フォトニック結晶,ナノフォトニクスの研究も強力に推進しています。