The 6th Special CMSM-ERATO Joint Seminar
(The 270th Special CMSM seminar)


熱マネジメントに関わる各種材料開発のご紹介

久幸 晃二
(博士(工学))
株式会社レゾナック 先端融合研究所 所長

Date & Time: 15:00 - 16:00, 2024年10月30日(水)
Place: 千現地区 第二会議室

Abstract:

近年、省エネルギーや地球環境保護の観点より、パワーモジュールへの関心が高まっており、市場の拡大が見込まれている。レゾナックでは半導体向け材料の開発製造を重点事業としており、その中でパワー半導体を注力市場の一つとして捉えている。特にxEV駆動用パワー半導体モジュール市場が今後大きく伸びることを見込んでおり、当社が分析した結果、この半導体製品には出力密度の向上トレンドがあり、それを実現するために今まで様々な技術が取り入れられてきたことが判っている。

パワー半導体モジュールでは、モジュールの放熱部材の構成によってモジュールの動作温度は決まる。また、SiCパワー半導体は、Siパワー半導体に比べて素子のオン状態での抵抗値はSiパワー半導体よりも低くなること、さらに熱伝導率が大きいことから伝熱面積を小さくすることが可能である。SiC半導体モジュールでは効率は向上するものの、半導体の大きさを小さくして、そこにより大電流を流すことに価値があることから、半導体素子の面積あたりの発熱量は、単純に減るとは限らず、低損失、小型高密度化[1]は、むしろその冷却を難しくする可能性がある。結果として、モジュール全体での熱マネジメントが必要となり、モジュールの更なる高放熱[2]、高信頼性[3]のために、パワーモジュール用材料の開発を続けていくことが重要である。

本講演では、当社のパワー半導体モジュール向けの開発事例を紹介すると共に、過去に検討していた熱電素子とその材料についても説明する。


References
[1] Shogo Mori, Keiji Toh, Shigeru Yanagimoto and Yuichi Furukawa, “Journal of Japan Institute of Light Metal”, Vol.61, pp119-124, 2011
[2] Kazuhiko Minami, Ichiro Ota, Shoichiro Wakabayashi and Katsumasa Hirose, PCIM Europe 2018 June, pp1388-1391
[3] S. Cho, H. Akaeda, “The 25th Annual conference of The Japan Institute of Electronics Packaging”, pp180-182, 2011

(問い合わせ先)

内田健一(スピンエネルギーグループ) 
E-mail: UCHIDA.Kenichi[at]nims.go.jp