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モット転移の本質が明らかに

-高温超伝導のメカニズム解明に向けて大きく前進-

2012.02.15
(2012.02.17 更新)

河野 昌仙 ( MANA研究者 )

河野 昌仙 MANA研究者は、電子相関(電子間の反発力)によって生じる絶縁体への金属絶縁体転移(モット転移)の本質を理論的に明らかにした。そして、高温超伝導体で観測されている様々な異常な振る舞いをモット転移近傍の性質として統一的に説明することに成功した(図1)。これにより、高温超伝導のメカニズム解明に向けて今後の飛躍的進展が期待される。

図1 2次元ハバードモデル(モット転移を起こす最も単純なモデル)のモット転移近傍の1電子励起のスペクトル強度分布A(k,ω)t。(a)全体図。右パネルは1電子励起の状態密度A(k,ω)tを示す。(b)ω≈0のスペクトル強度分布



図2 (a) 図1(a)の波数(0,0)-(π,π)のω=0付近の拡大図。破線はε2D(k,k)/t= -√2(v2D/t)coskを示し、v2Dはモット絶縁体の磁気励起の速さを表す。この図は、1電子励起の分散関係がモット絶縁体の磁気励起と直接関係していることを示している。(b) ω>0のスペクトル強度のドープ量δ(モット絶縁体から取り除いた電子の密度)依存性。スペクトル強度の減少は、電子の電荷自由度がモット転移に向けて凍結することを意味している。1次元系では、同様な特徴が現れることが厳密解を用いて示されている




記事・報道

■新聞
日経産業新聞(2012年2月22日7面)
科学新聞(2012年3月2日4面)
日刊工業新聞(2012年3月9日28面)


本件に関するお問い合わせ

国立研究開発法人物質・材料研究機構
ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)

ナノシステム構築ユニット MANA研究者

河野 昌仙

Tel:029-860-4899

E-Mail:KOHNO.Masanori=nims.go.jp
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