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B-C-Nセラミックス系のナノチューブは通常のCナノチューブに代わるものとして興味深い対象です。B-C-N材料は半導体的性質を示し、フォトルミネッセンス材料(光源)、高温で作動するナノ・トランジスター、軽量な導電材料、高温潤滑材等種々の応用が期待されています。これらの応用は組成に依存するだけでなく、B,C,N原子の配列にも依存します。ここではB,C,N原子が均一に分布した、中空のBCxN(1≦x≦5)ナノチューブの創製について報告しますが、これらはCNx(x<0.1)ナノチューブの束を約1800℃のN2雰囲気中でB2O3及びCuOと反応させて作ったものです。また電流電圧測定により個々のBCxNナノチューブが半導体として振る舞うことを確認しました。 図1は、BCxNナノチューブ束の明視野像(図1a)であり、併せてEELSのエネルギーフィルター像によるB,C,N原子のマッピング像(図1b,c,d)も示します。この元素マッピング像からB,C,N原子が同じチューブ内で共存していることは明らかであり、これらの元素が束内で均一に分布していることを示唆しています。この新しい結果は、出発物質として窒素ガスで満たしたCNxナノチューブの利用と反応温度の注意深い選択から得られたものと私達は考えています。 B,C,Nからできた3層ナノチューブの構造モデルを図2に示します。B原子は青色、C原子は灰色、N原子はピンク色で示されています。各層は、Cのグラファイトシートに数多くのBNのドメインが島状に埋め込まれていると仮定されています。電流電圧測定と絡んで重要な点は、この構造の半導体的性質(即ちバンドギャップ)がCナノチューブの中のBN単位の数を変化させることにより、〜5eV(純粋なBN)から〜1eV(BNでドープしたC)まで調整できるという点です。 私達が始めて創製した均一な構造を持つ新しいB-C-Nナノチューブの幅広い応用が生まれることを期待しております。 |
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