プレスリリース

DNAの電気抵抗を制御するメカニズムを発見
− 次世代のDNA半導体実現へ道を拓く −

 計算材料研究センターの木野日織主任研究員と大野隆央副センター長らは、東北大学の福山秀敏教授および独立行政法人産業技術総合研究所の寺倉清之研究コーディネーターのグループと共同で、DNAの電気伝導の理論と電気抵抗を制御する機構を見出しました。DNAは通常、生体環境では絶縁体であることが知られていますが、本研究ではDNAを特定の種類の金属イオンと結合し、さらにその金属イオンの周囲にある水分子を除去することにより半導体化するという現象を発見しました。今回の成果により、DNAの電気伝導性の制御技術開発が飛躍的に進展することが期待されるとともに、半導体細線としての利用、さらに自己組織化などのナノメートルサイズの特性を活かした次世代電子デバイスの開発などへの道を拓きました。


− 文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクト −
最先端のナノテク関連施設設備を用いた人材育成スクールの開催について
 ナノテクノロジー総合支援センターでは、我が国におけるナノテクノロジーの研究開発を戦略的に推進することを目指し、ナノテクノロジーに関連する最先端の施設・設備を外部の研究者へ利用していただく機会を提供するなど、様々な試みを行っていますが、今回極微細加工・造形技術に関する人材育成を目的として平成16年10月から平成17年2月にかけて、集束イオンビーム加工観察装置、電子ビーム描画装置、走査型プローブ顕微鏡、走査型電子顕微鏡、薄膜作製、フォトリソグラフィについて計6回のスクールを順次開催することとなりました。


白色LED用赤色蛍光体の開発に成功
− 新時代の明かり −
 物質研究所非酸化物焼結体グループの広崎尚登主席研究員と、東京工科大学の山元明教授、上田恭太郎助手らは共同で、白色発光ダイオード(LED)向けの新たな赤色蛍光体の合成に成功しました。本材料は窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化カルシウム、窒化ユーロピウム粉末を水分と空気を遮断したグローブボックス内で混合させ、その後窒化ホウ素製のるつぼに入れて窒素中10気圧、1800℃で反応させて作製したもので、非常に発光強度が高く、マイナス240℃から100℃までの温度範囲で劣化がほとんど無いという極めて優れた特性を持ちます。今回開発した赤色蛍光体を使うことにより、白色LEDに赤味を加えてより自然な光を放つ照明の作製や、特性を活かしてテレビなどのフラットパネル等に利用されると予想され、今後メーカとの連携の下に2年後の実用化に向けて本材料の評価などを行う予定です。


NIMSフォーラム2004開催のお知らせ

 平成16年11月19日(金)、東京ビッグサイトにてNIMSフォーラム2004が開催されます。
 主な内容としては「NIMS研究トピックス」として研究所長、ステーション長などから最新成果の講演を、「NIMS技術移転トピックス」として各研究者から技術移転、共同研究への展開が期待される成果の講演を行います。
 また、随時「ポスター展示」にてNIMS最先端の研究テーマ50件程度に関して掲示しております。
 さらに、「技術移転相談コーナー」においては講演、ポスター展示する研究内容に関して特許実施許諾、共同研究、より詳細な技術開示、サンプル提供などに関し外部の方の要望を個々に伺っており、多数の技術移転が期待されます。今回で3度目を迎え、ますます充実した内容にて開催されるNIMSフォーラム2004に皆様も是非ご参加下さい。なお、参加費は無料となっております。

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