国際連携 I
(姉妹機関との共同研究)

NIMS-マックスプランク金属研究所
「バイオロジカルアタッチメントを
利用した可逆的インターコネクション」

エコマテリアル研究センター
エコデバイスグループ

 

マックスプランク金属研究所
進化生体材料グループ

細田 奈麻絵

 

Stanislav N.Gorb


 環境調和型製品にとって分離し易い解体性設計は重要であり、接合部の分離技術はそのキーテクノロジーとも言えます。しかし、従来の接合技術は多くの場合高い接合強度を得る事のみに視点を置かれて開発されているため分離することが困難です。環境を考慮した次世代の接合技術は分離性も考慮したもので、使用中においては結合部の信頼性は保証されなくてはならないため、容易に外れず簡単に外せるという一見矛盾した要素を兼ね備えた結合手法が要求されるのです。現在、部品のマイクロ化が進んでいるなかで、マイクロアセンブリにおいても不必要に強過ぎず簡単に外せる新しい接合手法の開発は必要と言えます。
 ところで、自然界が造り出した生物は環境に調和するための優れた仕組みを持っています。特に私たちが注目しているのはマイクロマシンとサイズが類似している昆虫です。ハエやハムシなどの昆虫の足の先端にある数ミクロンサイズのアタッチメントデバイスは表面に吸着するために進化した物で、迅速、的確かつ可逆的に吸着する優れた仕組みを持っています(表紙写真下)。私たちはこのハムシのアタッチメントデバイスの吸着特性を先端技術を用いて調査し、その機構を理解するため研究を行っております。
 今後はさらに昆虫のアタッチメントデバイスと植物表面の関係から吸着系・非吸着系の仕組みを調査し、マイクロデバイスの可逆的接合手法の開発に役立てていきたいと考えております。

図1 ガラス表面を歩くハムシ.  図中○で囲ってある部分がアタッチメントデバイス.

図2 ハムシのアタッチメントデバイスの拡大図.  部位によって形状が異なっている.


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