機構の動き

機構評価委員会開催

 7月6日に、文部科学省独立行政法人評価委員会平成16年度第1回物質・材料研究機構部会が開催され、平成15年度の業務実績についてヒアリングが行われました。総括説明に続き、機構の体制及び運営、事務及び研究ユニットのマネージメント、プロジェクト研究・萌芽的研究、決算・人事等についての説明及び質疑応答が行われました。また、評価委員とディレクターとの意見交換や研究室訪問も行われました。





NIMSの特許出願件数が大幅に増大
 NIMSは「使われてこそ材料」ということを基本的な理念としています。独創性の高い基礎研究を基に基本的な特許を取得し、産業界へ技術移転することにより、実用化を促進していきたいと考えております。
 平成13年に独立行政法人化された後、研究成果を特許化することを奨励して参りました。また技術が国際化していることから、国外出願にも力を入れました。その結果特許出願件数が平成15年度で544件となり、2年前と比べて約2.4倍となりました。正規の研究職員一人当たり、年間約1.2件の特許出願を行ったこととなります。国内保有特許は平成15年度終了時点で約2,300となりました。今後更に特許の質を向上するよう努力する所存でおります。
 NIMSは今後も産業界の良きパートナーとして活動していきます。特許、技術移転についてご希望あれば、お気軽にご相談下さい。
(連絡先:研究業務部技術展開室 029-860-4627)





新ディレクターの紹介


物質研究所
機能モジュールグループ



ディレクター(併任)
Dirk G. Kurth
 超分子材料は、物質科学のフロンティアの一つと言われています。デバイス作製に自己組織化の原理を用いることは、今日の技術水準を遥かに越える新しい可能性を生み出します。当グループでは、構造要素として両親媒性化合物、機能要素として金属を含んだ超分子ポリマーあるいは酸化物クラスターを用い、機能モジュールの結合、配向や位置決め、階層構造のデザインのための原理や方法を研究しています。多段階の自己集合過程は、機能モジュールを組織化する有力な手法となります。モジュール性を利用する物質設計のアプローチは、分子から巨視的なスケールにおける構造や機能の制御を可能とし、ナノ構造や薄膜あるいは中間相における構造-機能相関の解明に役立ちます。

 グラファイト基板上に形成されたアルカンと両親媒性化合物と金属錯体からなる直鎖状のナノ構造.自己組織化により得られる構造は、ナノテクノロジーにおけるデバイスやシステムの設計において重要な役割を果たします.  両親媒性化合物と金属-超分子モジュールから形成された超分子液晶の構造.このような材料は、磁気的なスピン転移を示し、記憶媒体あるいは分子レベルの情報処理への応用が期待されています.

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