データ取得、データベース発信、国際標準化活動

物質・材料に関する知的基盤の構築
− データベースをインターネットで公開 −

材料基盤情報ステーション
材料データベース研究グループ
山崎 政義


 物質・材料に関する世界最大級のデータベース(以下DBと略す)がNIMSからインターネットによって発信されています。NIMSの中期計画では、知的基盤の充実として構造材料データシートの整備とともに物質・材料DBの構築が目標とされています。 私達は「使われてこそDB」を基本理念として情報技術(IT)を活用した材料基盤情報の発信を目指してきました。そして科学技術振興事業団(現科学技術振興機構:JST)が開発してきた高機能材料DB(6種類)を受け継ぐとともにNIMSが開発してきた材料DB(5種類)を統合して2003年4月に「NIMS物質・材料DB」として再構築(表参照)し、インタ−ネットで公開しています。これらのDBは、材料開発、材料の最適な使用、最適な材料の選択ばかりでなく、材料の特性予測、材料特性比較、材料の同定(辞書機能)などとして役立てることができます。NIMS物質・材料DBの検索閲覧は無料ですが、ユーザー登録が必要です。2004年4月末で海外の2,805人を含め12,048人がユーザー登録しています。ユーザーの6割が民間企業の研究者や技術者です。
 図に物質・材料DBのウェブページを示します。左上の検索システムMat Naviを利用すると、8種類のDBを対象にカテゴリとキーワードを用いて材料別・特性別に横断的な検索が可能です。本DBは物質・材料に関する学術的な数値DBとしては世界最大規模といえますが、世界で発信されている材料情報のほんの一部でしかありません。そこで英国のケンブリッジ大学のベンチャー企業であるGranta Design社と共同で、同社が提供するMaterial Data Network とリンクを張り、世界中の主要な研究機関の材料DBと合わせてデータを横断的に検索できるシステムを開発しました(http://matdata.net)。
 DBは使われることによって発展します。使われるためには豊富な情報量が必要です。もし私達のDBに収録されていない所要データがあれば下記アドレス宛にお問い合わせください。それはユーザーのニーズを把握するための貴重な知見となります。皆様のご協力をお願いいたします。
【問い合わせメールアドレス】
mail: matdb@ayamegusa.nims.go.jp

表 データベースの概要.

図 NIMS物質・材料DBのページ
http://mits.nims.go.jp/


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