超微細粒鋼線材コイルの量産化に目処
−実用レベルの長尺化に成功−
 超鉄鋼研究センターでは、2002年4月に商品化研究チームを発足させ、超鉄鋼に関する民間への技術移転、共同開発に積極的に取り組んでいます。
 今回、大阪精工株式会社の要請により技術指導を行い、同センターの成果である超微細粒鋼の圧延技術を改良することで、長尺コイルの試作に成功しました。試作コイルは直径1.3mmの線材を中心として長さ数kmと長尺化され、引張強度は800MPa以上で、従来に比べて強度が2倍以上となっています。
 これにより、超微細粒鋼が工業的に量産可能であることが初めて示されました。超微細粒鋼線材コイルの用途として、小ねじやボルトなど高強度精密部品への応用が期待されます。
 この試作コイルは、5月21日〜23日に開催された自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2003」に出展し、多くの注目を集めました。




バルセロナ材料科学研究所(スペイン)と
研究協力の覚書を締結

 物質研究所は、2003年6月20日に、バルセロナ材料科学研究所とセラミックス材料分野での研究協力の覚書を締結しました。
 今回の研究協力では、バルセロナ材料科学研究所のもつ酸化物超伝導材料や磁性材料の研究ポテンシャルと、物質研究所のもつ誘電体や半導体などのヘテロ構造化技術を組み合わせ、ミリ波帯におけるフィルター等の素子作成技術を開発することで、実際のデバイス応用に向けた指針を見出すことを目指しています。
 物質研究所では、電子顕微鏡による先端結晶解析技術を用いて、結晶構造の解析や極低温その場観察による物質評価に取り組んでいるため、各種磁性体や超伝導体の合成研究で高い評価を得ているバルセロナ材料科学研究所のこれまでのポテンシャルと、物質研究所のもつ先端結晶解析技術を組み合わせることで、各種磁性材料や超伝導材料など新たな物質探索研究の開拓に貢献することが期待されます。



連携室からのお知らせ
名古屋大学との協定について
 NIMSと名古屋大学Nature COE研究拠点(拠点リーダー:浅井滋生教授)は、研究交流促進の協定を締結しました。名古屋大学の大学院生の受け入れやオープンクラスター活動での研究者の活発な相互交流が計画されています。
筑波大学物質・材料工学専攻について
 NIMSと筑波大学は、物質・材料工学分野の研究推進と高度な人材の育成をより強力に進めるため、筑波大学大学院数理物質科学研究科(博士課程)にNIMSを母体とする後期3年独立連携専攻「物質・材料工学専攻」を新設することで合意しました。
 この「物質・材料工学専攻」は専攻長・教官をNIMSの研究者が併任し、研究指導も筑波大学の方針の下、専攻内で主体的に行うなど従来の「連携大学院」方式を一歩推し進めたものです。



行事(2003.7〜2003.10)
2003年
 7月15日〜18日 Inter Opto '03への出展
        (幕張メッセ国際展示場、主催:(財)光産業技術振興協会)
    29日〜31日 サイエンスキャンプ2003(NIMS千現地区・並木地区)
 8月06日〜08日 平成15年度茨城県中学生ミニ博士コース
        (NIMS千現地区・並木地区)
    18日〜19日 文部科学省科学研究費補助金・企画調査シンポジウム
        「固体中の光学過程による量子計算の可能性」(NIMS千現地区)
 9月24日〜25日 金属材料研究者のための小角散乱セミナー(NIMS千現地区)
10月15日〜17日 International Photo Catalysis Technology,
         Exhibition & Conference(東京ビッグサイト)
    20日〜24日 第18回国際マグネットテクノロジー会議(MT-18)(盛岡メトロポリタンホテル)



NIMSフォーラム2003を開催いたします
 NIMSでは、「使われてこそ材料」の理念の下、技術移転につながる最新の研究成果を公開し、研究交流や技術交流の場とする「NIMSフォーラム」を昨年に引き続き開催いたします。

日時:

平成15年11月21日(金)10時〜17時(予定)

場所:

東京ビッグサイト国際会議場(東京都江東区有明3-21-1)

参加費:

無料

プログラムなど詳細につきましては、近日中に本誌やHPにてお知らせいたします。
皆様のご参加をお待ち申し上げます。



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