機構の動き

新ディレクター紹介(物質研究所)
プラズマプロセスグループ
Plasma Processing Group

アソシエートディレクター
石垣 隆正
Takamasa ISHIGAKI



 新しくスタートしたプラズマプロセスグループは、材料合成プロセスの進行する化学反応場をプラズマにより精密に制御して新材料の創製をめざします。独自のプラズマ発生法の開発を通してセラミックス材料の高機能化を進め、欠陥構造、サイズ、構成相を制御した酸化チタン、ナノクリスタルダイヤモンド等ナノサイズ粒子のプラズマ合成、パルス変調高周波熱プラズマ処理による酸化亜鉛発光材料の開発、パルス化スパッタリング法による酸化物薄膜合成を行っていきます。

パルス変調高周波熱プラズマの発生
Generation of pulse-modulated induction thermal plasma
 独自に開発したパルス変調高周波熱プラズマは、ミリ秒オーダーで高出力、低出力を繰り返す“タイムドメイン制御遷移領域プラズマ”です。パルス変調により熱プラズマの熱量が低減し、材料の損傷が抑制されます。また、高速スイッチングはプラズマ中の高化学活性種濃度を増大させる効果もあります。最近、酸化亜鉛に水素を高濃度ドーピングして酸化亜鉛紫外発光体を高効率化することに成功しました。
プラズマ合成酸化チタンナノサイズ粒子
Plasma-synthesized TiO2 nanoparticles
 熱プラズマプロセスを利用すると、粒径50nm以下のナノサイズ粒子が容易に合成されます。光触媒材料として利用されている酸化チタンナノ粒子は、ナノ複合化、粒径、結晶相の制御により新しい光機能材料への応用も期待されます。



高分子性酸化物グループ
Macromolecular Function Oxides Group

アソシエートディレクター
一ノ瀬 泉
Izumi ICHINOSE



 分子ユニットが一定の規則で配列すると、個々のユニットには見られない新しい特性が生まれます。このような高分子性は、液晶からタンパク質まで、有機材料の優れた特徴の源となっています。当グループでは、あたかも高分子のような無機材料(高分子性酸化物)を探索し、材料科学の新たなフロンティアを拓くことを目指しています。金属酸化物の自己組織化や表面エネルギーを制御することにより、特異な形状やコンフォメーション特性、キラリティーなどの分子情報をもつ無機材料を開発します。さらに、次世代の分離膜や新しい化学プロセスを支える革新的な材料へと展開していきます。

高分子鎖のラッピング
Wrapping of a polymer chain
 個々の高分子鎖を超薄膜でコーティングする技術が開発されています。酸化物ナノ薄膜で包まれた高分子鎖は、外部と物理的に遮られ、孤立分子としての特性を現します。既存の有機分子は、ラッピングにより全く新しい分子性材料へと生まれ変わります。
酸化カドミウムのナノファイバー
Cadmium oxide nano-fibers
 幅3nm、長さ数μmの酸化カドミウムのナノファイバーを水中で自発的に形成することに成功しました。このナノファイバーは、剛直な有機分子と強く相互作用するものと考えられ、センサーや新しい複合材料への展開が期待できます。



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